第76回 ESPERANTO "Danse Macabre" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Raymond Vincent(violin), Bruno Libert(key,vo), Tony Malisan(ds), |
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Side (A)
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Side (B) |
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イギリス人、ベルギー人、イタリア人等世界各国のメンバーによって結成された、まるで多国籍軍のようなグループでグループ名もあのエスペラント語(今となっては企画倒れの感の強いですね)からとられています。
そのため、ブリティッシュプログレとはいってもかなり幅が広いサウンドで、イタリアンプログレの香りも感じられ、そっちでしびれた経験のある方には特にたまらない内容となっています。
全部で3枚のアルバムのうちでは、特にこの2枚目と3枚目が素晴らしい!どちらもヨーロピアンテイストあふれる作品に仕上がっています。(1stは?)
中でも3rdアルバムに収められている、BEATLESの"Eleanor Rigby"はBEATLESカバー史上でも5本の指に入ると言われるくらいドラマチックで素晴らしい内容となっている為捨て難く、どちらを紹介すべきか大変迷った結果、よりロック色が強いという理由で選んだのはこの2ndです。
彼らの場合、他のプログレグループと違ってオーケストラが大々的に導入されており、また全編に亘ってフィーチャーされたヴァイオリンが大きな特徴となっており、エキゾチックな雰囲気が日曜の午後にアールグレイなんか飲みながら聴くには最高の音楽です。
この2ndではA-1のスリリングな内容に先ず目(耳?)を奪われます。
ヴァイオリンとピアノがスピーディに奏でる合間をハードロック系のドラムスが駈け抜けていく様は、実に目まぐるしく、息を止めての全力疾走のようです。
名作トムとジェリーの中でよく見られる有名な戦闘シーン(トムがジェリーを追いかけているやつ)で、バックでかかっているような曲を、プログレッシヴロックで表現してみました、というとこんな感じになるのかも知れません。
そして延々と続いたこの長いイントロ(っていうにはあまりにも長過ぎるんですが)が終ると、ブリティッシュ然としたヴォーカルの静かな調べが突然始まり、これがCRESSIDAも真っ青という感じでいい味を出しています。
この部分だけはブリティッシュプログレそのものといった味わいです。
そして是非聴いて欲しいのはB面ラストのタイトルナンバー。
インストゥルメンタルながらも、ヘヴィーなリズムとギターの上をヒステリックなヴァイオリンが狂い咲きするカタストロフ感たっぷりのナンバーで、この独特の感覚はこのグループにしか出せない絶望感に満ちていて、これ一発で決まってしまう(何が)というくらいの完成度を誇っています。
仮面ライダー系のアクション物に出てくる悪役の手下みたい(分かりやすくいうとショッカーみたいなの)な外見の2人が争っている様のジャケットデザインもなかなかのものです。