第73回 SIR LORD BALTIMORE "Kingdom Come" |
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RARE度:★★ |
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Member : |
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Louis Dambra(g), Gary Justin(b), John Garner(ds,vo) |
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Side (A) 4. Lake Isle Of Innersfree |
Side (B) |
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アメリカのハードロック史上最も強力なグループとして、かの魯山人もといBLUE CHEERと双璧をなすグループ。
彼らは70年にデビュー作を発表していて、ここで紹介するアルバムは2ndアルバムにあたります。
でもラストアルバムなんだな、これが。(山下清風に)
BLUE CHEERと較べた場合、BLUE CHEERの方が世界的にその名が轟いており、デビューアルバムのジャケットが半端じゃなくカッコ良いので、やや割りを食っている感がありますが、内容的にはもしかしたらこっちの方が凄いかも知れません。
A-1。これは強力です。出だしのギターの入り方なんておどろおどろし過ぎて、「猛犬注意」の張り紙を見た時みたいな恐怖感を感じます。
それなりに修行を積んできた剛の者でも、これを聴いたら、「ちょっとボクにはこれは濃いなあ。すいませーん。水くださーい。」と思わず叫んでしまうような内容。
更にヴォーカルのコブシを利かせたシャウトが濃い上に、その後に続くギターのリフがこれまた濃いので、「あ〜あ、もうそんなにソースかけたらせっかくのサクサクのコロモがチョー台無しーって感じー」(キミ、年いくつ)って感じです。
A面は1曲目が最もヘヴィなんですが、勿論それ以外の曲も同様の感触で、A-3の出だしで「ファイアー!」って叫ぶところがあり、もしかして某プロレスラー(某アナウンサーも)はこれをマネしたんじゃないの?と思ってしまいます。
A-4だけはゆったりしたバラードとなっていますが、まあ1曲くらいは休ませてもらわんと身体が持たん、という発想がみえみえで、この次の曲はどうせヘヴィーなんでしょ?って思っていると案の定そうなってしまいました。
そして運命のB-1。(また大袈裟な..)
幽霊船が霧の中からゆったりと出てくるジャケットを彷彿とさせる怪しげなムード満点のイントロ。
お化け屋敷に入った時に彼氏の腕に巻きつく怯えた女性の顔を思い起こさせてくれます。
A面ではややもするとヒステリックになりがちだったヴォーカルも、ここでは見事に堂に入っていて、これでこそまさに「海の男」(?)
そして遂に運命のギターソロ。(だから大袈裟..)
大袈裟ですけど、このギターソロは本当に凄いんです(マジマジ)。雷の時に犬が天高く吼えているような荘厳で不気味な音色のギターで、最後は闇夜の月の向こう側に消えていくようにフェードアウトして、この曲はエンディングを迎えます。
気がつくとヴォリュームが凄い位置になってしまっているじゃないですか。「おっといけねえ、またやっちまった。」(なんて近所迷惑な..)
この曲を聴くといつもこうなってしまうんです。
私の場合、このアルバムはB-1で力尽きてしまうので、その後はあんまり覚えていないんですが、そういう聴き方で十分だと思います。