第70回 SPOOKY TOOTH "It's All About" |
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RARE度:★★★★ |
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Member : |
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Greg Ridley(b), Luther Grosvenor(g), Mike
Kellie(ds), |
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Side (A) |
Side (B) |
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SPOOKY TOOTHの1stアルバムです。
このグループにはあのHUMBLE PIE加入前のGreg Ridleyが所属していたことで有名ですが、2ndアルバムと後期の作品が紹介されること以外ではあまり注目を浴びないグループでもあります。
実際、相当いろんなブリティッシュロックを聴いてきた人が、「もうブリティッシュロックならなんでも良いから、聴いたことのないブリティッシュロックのレコードを聴いてみたい」的な感じで出会う機会の多いグループかも知れません。
私がこのグループに出会ったのは高校3年生の時でした。その頃クラスの「ロックファン」が聴いていたのは、世界で一番名古屋で人気があるといわれていたマイケルシェンカーグループ、(MSGですね)とか、「命」の枕詞として使っている人が多かった、JUDAS
PRIEST命(ほらね)、とかの同世代ロックでした。メタリカはこの応用で、メタリカ命です。(もういいって)そんな中で、HUMBLE
PIEのファンクラブを一人で勝手に結成して(一人でも結成か?)ブイブイ言わせていた(何を?)私は、今から考えても、相当浮きあがっていた、イヤ、相当沈んでいた存在だったに違いありません。
HUMBLE PIEのファンクラブとはいっても、当時でさえもそこらへんのレコード屋さんには彼らのアルバムなんて全然置いていないものですから、単に全ディスコグラフィーを集めるだけでも、実に約3年の歳月を費やしました。この間には、同時進行でSMALL
FACES等の関連グループのレコードも集めはじめており、このSPOOKY TOOTHの1stアルバムは、そんな経緯の中で出会った一枚という訳です。
このレコードをゲットした時には、当時行きつけのレコード屋さんに、「こいつのHUMBLE PIE狂いは異常だぜ、だってSPOOKY
TOOTHの1stまで買っとるんだもん。」なんて言わしめたものです。
しかしながら、まあSMALL
FACESくらいならヴォーカルがHUMBLE PIEと同じなので、まだ似たようなところはありますが、SPOOKY TOOHとなるとはっきり言ってHUMBLE PIEとは似ても似つかない内容で、本音を言えば、自分でも「オレは一体何しとるんだろう?」と考え込む事もありました。
と言いながらも、義務で聴いているうちに、いつのまにかクセになり、気がついたら愛聴盤コーナーに居座っていた…。レコードって不思議なもので、何回も聴いているうちに好きになってしまうんですね。強いて言えば、弱々しくてまとまりのない頼りなげな60年代っぽいところがたまらない魅力(どこが?)のアルバムって感じでしょうか。
日曜日の朝、起きてみたら雨が降っていて、窓の外を見ながら「洗濯物たまっとるけど、今日はムリだな..」なんてつぶやきながら聴くのにはうってつけのアルバムです。