第68回 SEMIRAMIS "Dedicato A Frazz" |
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RARE度:★★★★★★★ |
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Member : |
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Paolo Faenza(ds), Marcello Reddavide(b), Giampiero Artegiani(g), MIchele Zarrilo(g,vo), Maurizio Zarrillo(key) |
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Side (A) |
Side (B) |
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なんじゃ、このジャケットはーっ!ってな感じの邪悪この上ないジャケットに包まれたSEMIRAMIS(セミラミス)唯一の作品。
皆さん、古代バビロンの空中庭園ってご存知ですか?
色々な不思議研究関係の本にその想像図が描かれていますが、SEMIRAMISというのは、その空中庭園を造ったと言われている伝説上の女王のことで、ジャケットに映っている顔は恐らくその人の顔なんだと思います。内ジャケは更に不気味な絵となっていて、アルバムを聴く前に「いったいどんな音なんだろう」と末恐ろしくなってきます。
さてA-1に針を落とすと..。いきなり鉄琴(多分)です。(鉄琴ってあんた..)
鉄琴のリフとキーボードの波間を巻き舌のイタリアンヴォイスが不気味に響き渡ると、突然のどしゃぶりのようにハード系のヘヴィーなギターとリズム陣が一斉攻撃を始めます。
と、突然攻撃が止まり今度はアコースティックギターです。そしてまた一斉攻撃です。
この曲はエンディングも鉄琴です。
そしてA面のハイライトともいうべきA-2です。
A-1から一転してピアノ、フルート、ドラムス、ベースが一体となってスピーディなリフをきざむと、そこにキーボード(シンセ?)の洪水が襲うという鳥肌モノのかっこよさ。
このキーボードの入り方は、かのTHE WHOの「ピンボールの魔術師」のイントロのところでディストーションベースが「ブーンッ」と入ってくるところのかっこよさに通じるものがあります。
B面も同様の路線なのですが、A面よりも更に八方破れ的な展開となっており、突然の転調が多く次から次へと曲調が変わるので、聴いていて大変体力を消耗します。
よく会議なんかで、皆があるひとつのことについて議論して盛り上がっている最中に、「そういえば、あれってどうなったんだっけ?」と思いつきで話題を次々変える人がいるととても疲れますが、このアルバムのB面はそんな感じです。
同じイタリアのトリデントレーベルの同僚(?)BIGLIETTO PER INFERNOもかなり行き当たりばったりなところがありますが、その点だけでいえばSEMIRAMISの方が一枚上手です。
こういうアルバムを聴いた後に普通のハードロックを聴くとえらく幼稚に思えてくるんですが、かと言ってイタリアプログレばっかり聴いていると胃がもたれてきて、ブリティッシュフォークなんかを聴きたくなってきます。
結局はバランスよく聴くってことが大事なんですよね。