第66回 LORD SUTCH&HEAVY FRIENDS "Same Title" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Lord Sutch(vo), Jimmy Page(g), Noel Redding(b),
Jeff Beck(g), |
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Side (A) |
Side (B) |
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皆さんLORD SUTCHってご存知ですか?
モノの本によるとブリティッシュロックの黒幕的存在と言われていた超大物(ケ小平みたいなもんでしょうか)だそうで、政党(名前忘れました)も作ったりと幅広く活躍していた、イギリスでは相当名の知れた存在だったようです。
人脈も凄くて、このアルバムに参加した人たち以外にも、彼の配下には、Ritchie Blackmore、Keith Moon等がいたようです。その後の彼からはそんな姿なんて想像だにできませんが、Ritchieは、ステージの上からSucthに突き落とされたりすることがしばしばあったようで、それが一種のパフォーマンスになっていたというから驚きです。
この人の場合、音楽的な点からいうとどちらかというとキワモノ的な印象が強く、Heavy Friends名義でこの後にもう一枚出したライブアルバムでは、1stに未参加だったKeith
MoonやRitchie Blackmoreも参加してはいるものの、その内容は、確かにヘヴィといえばヘヴィだし、やかましいといえばやかましい、けど、我々(私だけ?)の求めている音楽とはちょっと違う..というイロモノ感があって、注意が必要です。
但し、この1stアルバムだけは別で、これに限って言えば正統派の内容となっていて、ブリティッシュハードロック史に残る名盤と言い切ってもいいと思います。
内容では、特にかっこいいのがA-1、A-2。Jimmy
PageとJohn Bonhamのふたりがめいっぱいに活躍する強力なナンバーなんですが、もうノリは完全にZEPPELINの1st。A-2なんかかっこいいこと山の如しって感じです。この2曲以外にもボンゾ(John
Bonham)の参加している曲は何曲かあるのですが、彼独特のやたら重心の低いドラミングが安定感抜群なので、我々(私だけ?)には安心して聴くことができます。「ZEPPELINの音楽は好きなんだけど、Robert
Plantの声がちょっとなあ」、という人にこのアルバムは特にお薦めです。(そんな方、いたら申し出て下さい)
そして、ジャケット。とにかくユニオンジャックカーが最高にかっこいい!(こんな車に乗ってみたいっすねぇ・・・。)この人のことですから、きっと曲同様に、「マイユニオンジャックカ〜」って歌いながら、本当にロンドンでこの車を走らせていたんじゃなかと思います。
なのに、「Smoke And Fire」というタイトルで出た再発盤のジャケットはオリジナルと全く違って、随分味気のないヘヴィメタみたいになっちゃって、雰囲気が台無しでした。あれじゃ全く別のアルバムじゃないか!です。(こっちが好きな方、いたら申し出て下さい)
Lord Sutchはこのアルバムを作るにあたって、「名前は出さんで、頼むから演奏してくれん?」といってメンバーを集めたにもかかわらず、レコードが発売された時には全員の名前が堂々とクレジットされていて皆ビックリしたというのは有名なお話です。しかも表ジャケットにでかでかと。(クレジットされた方、いたら申し出て下さい)
こういう大胆な人柄も非常に魅力的で、世の中が不安定なこんなご時世にこそ、思い切った行動で新鮮な風を吹かせて欲しいところですが、Lord Sutchはその後、特に目立った活躍もないまま99年に亡くなったと聞きました。本当に残念です。