第65回 CAPTAIN BEYOND "Same Title" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Rod Evans(vo), Bobby Caldwell(ds), Rhino(g), |
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Side (A) |
Side (B) |
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第一期DEEP PURPLEのヴォーカルとして他の二人と較べると名低いRod Evansが元IRON BUTTERFLYのメンバーと結成した英米混合ハードロックグループ。
ビヨンド船長(と私は思い込んでいます)の映ったジャケットがスペーシーな雰囲気を醸し出していて、聴く前から期待に胸が高まりますが、全く期待を裏切らぬヘヴィこの上ない彼らのデビューアルバムです。
因みに、アメリカ盤の初回プレスは3Dジャケットです。
DEEP PURPLE、LED ZEPPELIN、BLACK SABBATHらのメジャーどころを一通り聴いた後に、この世界の更に奥深くに進むか、それとも違うものに興味を持ってこの世界から足を洗うかによって、その後の人生というのは随分違ったものになってくるのでしょうが、このレコードに到達した人は、それなりにマニアックな方面に突き進んできた人の筈だと思います。
実は私がそうなんです。
まだ大学1年の時に初めて入った怪しげな中古レコード屋で、「こんなん聴いたことある?じゃあこれは?」と試聴の波状攻撃に遭い、「いやあ、どれも全然聴いたことも見たこともないレコードばっかりでびっくりです..」と圧倒され、疲れきって帰ろうかとしていた時に、店の人に「今日のところはこれくらいで勘弁してやるが、後5分だけオレにくれ。」と最後の最後にとどめとばかりに登場してきたのがこのレコードでした。
確かそのときの値段が\8,000くらいだったと記憶していますが、「レコード1枚に8,000円ってマジか..」と完全に値段負けした状態で試聴していたためか、A面の強力なナンバー(特に転調するところが必殺の出来)を聴いてすっかり欲しくなってしまいました。でもその当時の私にはレコード1枚にそんな金を払うような余裕もなく、その時は涙を飲んで家路につくしかなかったのです。
(その出来事は私のなかでトラウマとなり、今でもゲッというお値段のレコードに出会うと、ビヨンド船長が目の前をよぎります)
それから1年後。私は夏休みを利用してアメリカにホームステイに行きました。終盤に近づいた頃の事です。滞在先の家族の人から「もう最後だから、他にどこか行きたいところがあれば遠慮なく言いなさい。」と言われ、私はとっさに、「じゃあ中古レコード屋に連れて行って欲しい。」と言ってしまい(アホか)、家族の人も「どこでも連れて行ってやる」と大見得をきった手前断る訳にもいかなかったらしく、その家の夫婦と2歳の子供と一緒に中古レコード屋さんに行くことになってしまったのです。
1軒目に連れて行ってもらった店は私のイメージしていたのとはちょっと趣の違う店で、そこの店員から「どんな音楽が好きなの?」と聞かれた私は、日本人としてなるべくなめられないような名前を言わなければと、あの時最後の5分に聴いたレコードが頭に浮かび、答えてやったんです。「キャプテンビヨンド。」と。(本当にアホだろ)
それを聞いたお店の人は「あんた、この店じゃ全然ジャンルが違いますよ。」とばかりに別の店を紹介してくれ、行ってみたその店に、ありました、ありました、あのジャケットが。
あの出来事から足掛け1年。日本から遠く離れたかの地でようやくこのレコードを入手することができたという訳です。
そんなこんなでゲットしたこの思い出深いレコードは、いまだにその店の値札がついたまま、我が家の棚にしまってあります。
ちなみにこのグループは2nd、3rdも出ているようですが、会う人会う人から「悪いから、絶対買うな。」とまるで昔からの言い伝えのように語り継がれているので、怖くて未だに試聴すらしたことがありません。
ご存知の方、ご連絡ください。