第64回 TREES "On The Shore" |
||
|
|
|
RARE度:★★★★★ |
||
Member : |
||
Celia Humphris(vo), Barry Clarke(g), David Costa(g), |
||
Side (A) |
Side (B) |
|
英国フィメールフォークといえば、FAIRPORT CONVENTION、STEELEYE SPAN等の大御所勢、SPIROGYRA、MELLOW CANDLE、TUDOR LODGE等のド廃盤勢がおおきな2つの幹をなしていますが、ここで紹介するTREESのアルバムもそのおおきな幹と同様の水準のグループとして忘れることができません。
このグループは、所謂ブリティッシュフォークの範疇に属しながらも、トラッドの要素があまり感じられず、かなりプログレ寄りのサウンドとなっています。(ドラムスもしっかり入っていますし)
彼等が普通のプログレフォークとして片付けられない理由のひとつは、ブリティッシュロックファンなら一度は目にしたことがあると言われるこのジャケットアートの素晴らしさにあるんじゃないでしょうか。
ゴルフ場のようなところで、お手伝いさんのような格好をした幼い少女が水を蒔いているという、それだけを聞くとそんなに凄い絵だとは思えないのですが、実際に見てみるとこれがなんとも不思議な魅力をはなっているんです。(すみません、口では説明できません)
また、この絵は音楽誌に小さく映っているジャケット写真で見ただけでは気付かないかも知れませんが、実際に本物のジャケットでその顔をよく見ると少女の顔が随分不気味であるということに気がつきます。
ジャケ裏にはこのモデルの名前(ここではふせておきます←なんでや!)が書いてあるので、実在する人のようです。
このアルバムは70年の作品ですから、月並みですが、きっと今頃今ではイイ年になっていることでしょう。
デザインはやっぱりヒプノシスです。
絵のことなんかさっぱりな素人の私なんかでも「やっぱりヒプノシスか」納得してしまうから流石ですよね。
それからもうひとつの魅力が必殺のフィメールヴォーカル、Celia Humphrisです。
A-1では曲がコーラス曲となっているためにその凄さに気がつかないのですが、A-2のZEPPELINの3rdばりの薄いギターの音色に続いて彼女のハスキーな歌声が入ってくるところは、この世のものとは思えない神懸り
的な美しさに満ち満ちていて、雷に打たれたような(そんな経験ないですが)感動が全身を貫いていきます。
なんと表現したら良いのか分かりませんが、雨上りの森の中をひんやりと歩いていくと知らぬ間に後ろから誰か妖しいヤツがついて来ているようなそんな感覚で、自主製作のマイナーフォークグループには絶対にマネのできない懐の深さを感じます。
こんな声を出す女性というのは一体どんな顔をしているんだろうと、私なんかとても気になっていてもたってもいられないんですが、残念ながらこのアルバム、メンバーの写真は裏ジャケにも載っていません。
このグループのもう一枚アルバムには、裏ジャケにメンバーの写真が掲載されてはいるものの、わざとぼやかしてあって、これまたはっきりしなくてやきもきしてしまいます。
でもまあ、UMA(Undefined Mysterious Animalの略−ネッシーとかそういうのです)じゃないですけど、こういうのっていうのは「どうもはっきりしない」という方が想像力を煽るものがあってかえって良いのかも知れないですね。
余談ですが、UMAってどう思われますか?
この手の話題もすきなんですよね・・・。