第56回 SPONTANEOUS COMBUSTION "Triad" |
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RARE度:★★★★ |
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Member : |
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Gary Margetts(g,vo), Tris Margetts(b,vo), Tony Brock(ds,vo) |
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Side (A) |
Side (B) |
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ブリティッシュハードロックファンの皆さん、このグループをご存知でしょうか。
ハードロックの特集記事なんかには時々登場していますので、この如何にも覚えにくい名前くらいは聞いたことがある方はいらっしゃると思います。
このグループはこの2ndアルバムを含めて全部で2枚のアルバムを発表していますが、このグループが紹介される場合この2ndアルバムが紹介されることはなく、殆どの場合デビューアルバムの方が紹介されます。
デビューアルバムの方は、印象的なジャケットデザインや内ジャケのコミック、またややプログレッシヴなテイスト漂う音作り等なかなか注目を浴びやすいのでしょうが、1stと2ndでは内容的には天と地ほどの違いがあります。
A面の1曲目を聴いた瞬間にまずその音の分厚さに驚かされます。
この曲はメロディもリフもかっこよく、そしてキレ味も申し分ありません。もし『ブリティッシュハードロック名作集』のようなフェイバリットカセットテープを作るとしたら、必ず収録されるであろう王道的名曲です。
続くA-2は『移民の歌』っぽいフレーズが印象的ですが、曲が進むにつれてギターがどんどんかぶさってくるところは若きブリティッシュハードといった感じです。
一転してバラードのA-3。これは本当に美しい..。
かのTHREE MAN ARMYの名曲にも優るとも劣らない美しいメロディで、またしてもあの『ハードロックの名作に隠れた名バラードあり』という格言を思い出してしまいました。
THREE MAN ARMYのGurvitz(ガーヴィッツ)兄弟に対して、こちらはMargetts(マーゲッツ)兄弟ですから、なんだか因縁のようなものを感じます。
そして、B面。
B-1は『Pan』なんていう味気ない曲名なので、しょーもない曲かと思いきや、これがまたまた嬉しい誤算。
イントロも普通の出だしなので油断していると、どんどん音がかぶさってきて、気がつくと凄いことになってしまっていました。
まるでATOMIC ROOSTERの2ndのような火の出るようなインタープレイが収録されていて、こんなのを聴くと『やっぱりハードロックの醍醐味はこれだよなあ』と嬉しい気分になってきます。
個人的にはインタープレイの途中にドラムスがショートレンジで炸裂するところが特に気に入っています。
ジャケットは真ん中がくり貫かれた変形になっていて、中にメンバー3人の顔写真がそれぞれ映っているライナーがついています。
こんな風に自分の顔がライナーになったレコードが出せたら、一生記念になっていいだろうなあ、と訳のわからないことを考えながら、今回はこの辺でペンを置きます。