第54回 BUDGIE "Never Turn Your Back On A Friend" |
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RARE度: ★★★ |
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Member : |
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Burke Shelly(b,vo), Tony Bourge(g,vo), Ray Phillips(ds) |
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Side (A) |
Side (B) |
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BUDGIEとはセキセイインコのことで、まあそれはジャケットを見ればだいたい想像がつくと思います。
私もBUDGIEの意味を辞書で調べたときに『セキセイインコ』と書いてあったのを見た時、ああやっぱりなと思いました。
このグループは71年にデビューしていますが、デビューアルバム以来徹底してインコにこだわったジャケットとなっています。
それも普通のインコではなく、どのインコも戦闘員となっています。戦闘員とは言ってもなかなか可愛げのある姿をしていて、なんとなく憎めません。
BUDGIEは初期のアルバム5枚がどれも素晴らしい内容で、重ければ重いほどありがたいという人には1stアルバムを、まだ一回も聴いたことがないのでどれから聴いたら良いのでしょう?という人には4作目『In For The Kill!』を、アルバムの出来云々よりも死ぬほどかっこいい曲が1曲あるのがイイという人には5作目『Bandlier』を、そしてジャケットのデザインも含めて楽しみたいという方にはこの3作目を、という具合ですので、ご自分のテイストに合ったBUDGIEをお楽しみ頂けるかと思います。(ワインじゃないって)
で、この3作目ですが、のっけから金属的でスピーディなリフが飛び出してきます。
恐らくライヴ(死ぬまでに一度聴いてみてぇ〜)では、オープニングに演るのにうってつけだったであろうこの曲は、ヘヴィメタバンドがカバーしたとかいう噂も聞きました。
金物をこすりつけたような非常に金属的なギターのリフと、前に出すぎている存在感抜群のベースが独特の違和感を醸し出していて、ハードロックとはいいながらも、これはもうヘヴィメタすれすれです。
他の人と一緒に聴いている時に『ふうん。ヘヴィメタも聴くの?』といつ言われるかとビクビク、ヒヤヒヤものの1曲です。
また、このグループの顔ともいうべきなのが、声変わり直前の少年のような(?)ハイトーンなヴォーカルです。
ハイトーンといえば聞こえは良いのですが、個性的過ぎて相当好みの分かれるところだと思います。
『表のSABBATH、裏のBUDGIE』といわれていますが、BUDGIEが裏になってしまう理由のひとつがこの声なんでしょうね。(私は好きですが)
ただ誤解してもらうと困るのではっきり言っておきますが、決してヘタではありません。
それから一転して全然違うムードなのがA-3。
アコースティックギターの美しい調べとエコーが掛かったヴォーカル、そしてぐっとくるメロディ。
まるで小川のせせらぎのようで『XXXXXの天然水』を彷彿とさせる清らかさです。
B面も引き続き金っ気の多い曲で始まります。
手数の多いドラムスの連打が炸裂するシーンではあまりのかっこよさに鼻血が溢れだし、そして続くB-2はまたしても天然水。もう暑いの寒いのという感じで、こんなに大きくなゆさぶりを掛けられては、バットに当てることすら(?)できないのです。
そしてこのアルバムのハイライト、B-3。
5作目のアルバムに収録されている彼らの代表作『Napoleon Bonapart』(名曲です!)に優るとも劣らない素晴らしさで、重厚なギターのリフがとても印象的な大作です。
聴き終わったら最後に見開きのこの美しいジャケットを広げて見ると、もう至福の時ですね。
人生の幸せをかみしめるようです。(ちょっとおおげでしたか。。。)