第48回
MOUNTAIN
"Nantucket Sleighride"
MOUNTAIN - "Nantucket Sleighride" RARE度: ★★ |
Member : | Leslie West(g,vo), Felix Pappalardi(b,vo),
Corky Laing(ds), Steve Knight(key) |
Side (A) 1. Don't Look Around 2. Taunta 3. Nantucket Sleighride 4. You Can't Get Away 5. Tired Angels |
Side (B) 1. The Animal Trainer And The Toad 2. My Lady 3. Travelin' In The Dark 4. The Great Train Robbery |
70年代のアメリカのハードロックバンドとして忘れることができない、このMOUNTAINはあのCREAMのプロデューサーのFelix Pappalardiが在籍していたことで有名です。
普通にハードロックを聴いてきている人にとってはMOUNTAINなんていうのは、大学でいう教養課程の必須科目のようなもので、好きだ嫌いだという前に知らないということ自体がちょっと恥ずかしい、そんなグループです。
私とこのグループとの出会いは、私がまだ高校生でエアチェック魔だった頃のことです。如何にきれいにカセットテープに曲を録音するか、に命を賭けていて、DJの超えなんか入るような事でもあれば、同居している家族は大変な目に遭っていたものです。
で、その頃(84年前後)の名古屋のFMでやっていた、柴田チコさんとかいう名前の女性が司会をしている、確か『FMメイツ、サウンドシャワー』とかいう番組の、古いロックの名曲を毎回1曲ずつ紹介するコーナーがあり、そのコーナーでこのMOUNTAINのA-3が紹介されたのです。当時はどんな曲を聴いてもチョコレートを食べ過ぎた子供のように興奮小僧だった私にはかなりの衝撃でありました。(そんなんばっかか..)
勿論当時のFM番組でやる曲目の詳しい情報というのは、FM誌等にものっておらず、その番組の中で一回しか言ってくれないアーチスト名や曲名を聞き逃したりすると、気合を入れて録音したのはいいけど、これが誰のなんていう曲かさっぱりわからんという、大変なことになってしまうので、毎日毎日が必死でした。
そんな風に緊張していたのにも拘わらず、なんと私はこの曲のアーチスト名を聞き逃してしまったから、本当に苦労をしたものです。
曲名『ナンタケットスレイライド』だけわかっても、こんなにわかりずらい曲名では探すのもままならないですし、その頃は正直言って『こりゃあ、ちょっと探すのはムリだな』と半分あきらめていましたが、本気になって探せば物事というのは何とかなるものなんですね。
今ではすっかり愛聴盤の一枚です。
ちょっと話がそれまくってしまいましたが、このアルバムはアメリカの泥臭さというものは全くなく、むしろアメリカンハードの持つメロディアスな良さだけが凝縮されたような内容です。
A-1のイケイケでノリノリでそれでいて俗っぽくならない激しさに先ずは納得してしまいますが、狂ったようなドラムスのおかず攻めに『おいおい、最初からそんなに飛ばすなよ』と心配になってしまいますが、100kg以上の巨漢で『七色(勿論音色が)のギタリスト』といわれたLeslie Westのねちっこいギターが納豆のように絡んでくる様はまさにハードロックの醍醐味です。
この曲はビートクラブのビデオでも出まわっていますので、是非ご覧になってみて下さい。
ハイライトはやっぱりA-3です。
A-2とは殆ど続きのようになっていて、BLACK SABBATHの3枚目のChildren Of The Graveみたいと言えばわかって頂けると思います。
A-2の出だしの午睡を誘うかのようなイントロはAEROSMITHのDream Onに通ずるものがあり、A-3の序曲として素晴らしい役目を果たしています。
そして始まるA-3は、レコードのインサートにもついているように、捕鯨に出航する船を連想させるものです。ハードロックの名曲として忘れることのできない作品です。
彼らは他にも何枚か作品を発表しているようですが、この曲が彼らにとってのHotel Californiaになってしまったようで、このアルバムを超える作品を出すことはできなかったようです。