第40回
MADREDEUS
"Os Dias Da Madre Deus"
MADREDEUS - "Os Dias Da Madre Deus" RARE度: ★★ |
Member : | Maria Teresa Salgueiro(vo) , Pedro Ayres
Magalhaes(g) , Rodrio Munoz(key) , Gabriel Gomes(accordion) , Francisco Ribeir |
Side (A) 1. As Montanhas 2. A Sombra 3. A Vaca De Fogo 4. Os Passaros Quando Morrem Caem No C'eu Side(B) 1. A Estrada Do Monte 2. Adeus... E Nem Voltei 3. A Peninsula 4. A Cantiga Do Campo |
Side (C) 1. Fade Do Mindelo 2. A Marcha Da Oriental 3. A Cidade 4. Maldito Dia Aziago Side(D) 1. A Andorinha 2. O Brasil 3. O Meu Amor Vai Embora 4. Amanda |
『ロックの王道を行け!』では60〜70年代の作品を中心に紹介して参りましたが、今回紹介する作品はなんと87年という異例の新しさです。
私もそうなのですが、70年代のロックファンの方というのは、頑なに70年代だけに固執してやや排他的になりがちなのですが、何年のものだろうと良いものは良いということで今回紹介することにしました。
MADREDEUSはポルトガルのグループで現在も活動しており、ここで紹介するこの作品は彼等のデビューアルバムです。
このグループ最大の聴き物は、なんといっても紅一点の女性ヴォーカリストMaria Teresaの信じられないような歌声です。
辺り一面に響き渡るような彼女の歌声は、何とも言えぬ物悲しさと力強さを兼ね備えたもので、もうまるで夢を見ているような気分です。
70年代のブリティッシュフィメールフォークファンにも絶対お薦めです。
また、バックのアコーディオンとクラシックギターの音色もこれまた素晴らしい雰囲気をかもし出していて、地中海に望む石畳の街を歩いているかのような錯覚に陥ってきます。
A面1曲目の出だしのアコーディオンの響きを聴いただけで、『世界遺産』みたいな中世ヨーロッパの風景が目の前に広がってきて、それはもう筆舌に尽くし難い感覚です。
このアルバムは2枚組の大作なのですが、最初から最後まで実にゆったりと時間が流れていて、午睡(敢えて昼寝とは書かない)のBGMに流せばこれほど気持ちの良いものはありません。
もうベータ波(アルファ波でしたっけ?)出まくり状態。
ヒーリング音楽なんていう言葉をよく耳にする今日この頃ですが、このMADREDEUSこそまさしくヒーリング音楽なんじゃないでしょうか。
この後に発表する2ndアルバムでは、A面の2曲目がなんと日本のテレビコマーシャルに使われるという驚くべき展開になり、そのため日本でも一気に知名度があがったようです。
CMに曲が使われるいうと、腐りきった日本の拝金主義的産業音楽を連想してしまいますが、こういう本当に素晴らしい音楽が内容重視でとりあげられるというのはまだまだ世の中捨てたもんじゃないのかも知れません。
今まで来日の際には行こう行こうと思いつつまだ一度も聴きに行ったことがなかったのですが、今年(2001年)の6月に来日することが決定したそうで、早速チケットも購入できた事だし、今から6月が楽しみでなりません。
(今回はちょっと自慢が入りました。ごめんなさい。)