第18回
MOTT THE HOOPLE
"Brain Capers"
MOTT THE HOOPLE - "Brain Capers" 1971 UK ISLAND ILPS 9178 (Hard Rock) RARE度: ★★★ |
Member : | Verden Allen (key), Dave 'Buffin' Griffin
(ds), Ian Hunter (vo), Mick Ralphs (g), Peter Overend Watts (b) |
Side (A) 1. Death Maybe Your Santa Claus 2. Your Own Backyard 3. Darkness Darkness 4. The Journey |
Side (B) 1. Sweet Angeline 2. Second Love 3. The Moon Upstairs 4. The Wheel Of The Quivering Meat Conception |
MOTT THE HOOPLE と聞いて、このアルバムが思い浮かぶ人というのは余程のHOOPLEファンか、かなりのブリティッシュロック通かのどちらかではないでしょうか。
MOTT THE HOOPLEといえば、ややグラムロック風の大ヒット曲『All The Young Dudes』(『すべての若き野郎ども』というダサダサの邦題がつけられています)があまりにも有名なので耳にした事のある方もいらっしゃるかも知れません。
さて、ここで紹介する『BRAIN CAPERS』というアルバムですが、所謂彼等の下積み時代に発表された通算4枚目にあたるもので、上述の大ヒット作とはかなり趣の異なる内容です。
あのグラムロックを想像して『すみません、これ試聴したいんですが。』といって店先でかけてもらって、出てきた音が想像していたのと全然違っていて驚きのあまり腰がギクっとなって抜けてしまった経験があります。
ドラムスの重さが全然違います。(倍くらい重いです)
FREEとかHUMBLE PIEとかに通ずるような、所謂70年代初頭の出来の古き良き本物ロックといえば分かって頂けますでしょうか。
話はそれますが、FREEとかが好きで未だにカーステでそういうのを聴いたりする人って日本のどこかにまだいるんだろうか等とヘンなことを思ったりするものです。
どの曲も平均以上の内容ですが、特にA面ラストのヘヴィバラードは最高です。
聴けば聴く程に良さが伝わってくるIAN HUNTERの一世一代の名曲で、ブリティッシュロックが好きな人であれば2000人中1700人くらいは絶対気に入るに違いない私の青春秘蔵盤です。
曲の後半、ドラムスがダダダダ、ダダとひたすらリフレインを繰り返す中、IAN HUNTERがせつせつと熱唱する様は、本当にいつ聴いても素晴らしい、バンドの持ち味が最大限に発揮された初期の名曲といって良いでしょう。
尚、本作品の初回プレスには、SM仮面秘密女王様クラブみたいな縁のとがった眼鏡が付録としてついています。
(付録としてついていないものには印刷されています)
この後、彼等は一時解散しますが、DAVID BOWIEの助力を得て前述のヒット曲で成功を収め、再生することになります。
この作品を聴いて気に入った方にはちょっと雰囲気が違いますが、『MOTT(革命)』もお薦めです。