第13回
KAIPA
"Inget Nytt Under Solen"
KAIPA - "Inget Nytt Under Solen" 1976 SWEDEN DECCA SKL5260 (Progressive Rock) RARE度: ★★★★ |
Member : | Ingemar Bergman(ds,vo), Tomas Eriksson(b),
Hans Lundin(key), Roine Stolt(g) |
Side (A) 1. Uppvaknander 2. Bitterheten 3. Hoppfullheten 4. Overheten 5. Vilseledd |
Side (B) 1. Omson Sken 2. Korstag 3. Stengrodornas Parad 4. Dagens Port 5. Inget Nytt Under Solen |
数年前、突然盛りあがりをみせた北欧プログレシーン。
最近ではだいぶ下火になってきたようですが、このKAIPAとDICEはその火付け役といっても良いかもしれません。
北欧のプログレというとピコピコサウンドではないかとちょっとひいてしまう方もいらっしゃるかも知れませんが、この辺りのレコードはそんな事はないのでご安心下さい。
KAIPAは合計5枚のアルバムを発表しているのですが、プログレファンの間ではそのうちの初期3枚がマストアイテムと言われていました。
初期3枚に較べて、後期の2枚はかなり悪い事で有名ですが、残念ながら(幸いなことに?)未確認です。
モノの本によると、所謂CAMEL、GENESISタイプとよく紹介されていますが、あんなに甘ったるい感じ(スミマセンあまり好きではないので..)ではなく、もっと力強くて切れ味鋭い構築的な音です。
マストアイテムとして有名な初期3枚は、それぞれ異なる持ち味をみせています。デビューアルバムは甘美で雄大なシンフォニーが印象的な大作志向の強く、3RDはやや小粒ながらも美しいジャケットを思わすファンタジーっぽい作品です。
そして、その2枚にはさまれたこの2NDアルバムは、研ぎ澄まされた感性が一気に開花した最もダイナミズムの強い作品です。
内容という点では本当にどれも甲乙付けがたいのですが(1STと2NDが最後までもめました)、どれか1枚を選ぶとなるとA面の組曲が素晴らしいこの2NDを推したい。
A面のクレジットを見る限りでは、5曲構成のように思われるかも知れませんが、実際にはトータルな作りになっていて次から次へと展開していく様は、まさにプログレの醍醐味です。
RENAISSANCEのScheherazadeのような劇的な盛りあがりが素晴らしく、また後半のリフレインの部分は大変印象的で、聴き終えた後もなかなか頭から離れません。
情熱的なイタリアとは対極に位置する白夜を彷彿とさせる感動は北欧ならではです。