第12回
DUST
"Hard Attack"
DUST - "Hard Attack" 1972 US KAMA SUTRA KSBS 2059 (Hard Rock) RARE度: ★★★ |
Member : | Kenny Aaronson(b), Marc Bell(ds), Richie
Wise(g,vo) |
Side (A) 1. Pull Away / So Many Times 2. Walk In The Soft Rain 3. Thusly Spoken 4. Learning To Die |
Side (B) 1. All In All 2. I Been Thinkin 3. Ivory 4. How Many Horses 5. Suicide |
カーマ・ストラから2枚のアルバムを出しているUSハードの決定版、DUSTの2NDアルバム。
1STアルバムも決して悪い出来ではないかもしれませんが、ジャケットの骸骨の冴えない絵のようで、ドロドロしたハードロックをやっていて今一つ切れが感じられませんでした。
ところがどっこい、この2NDアルバムは1STに比べて格段に成長の後が見られ、演奏内容、曲の良さ、全体の構成等どれをとっても素晴らしく、カッコいいジャケットカバーに恥じないような内容で『すっかり見違えるようになっちゃて..』と思わず言いたくなるようなアルバムです。
アメリカのハードロックというと必ずといって良いほどディストーションが登場して、ガーガー攻めたてる(これ自体は別に悪いことではありませんが)パターンが多いのですが、このDUSTはアコースティックギターを多用しているせいもあってか、他のハードロックバンドとは少し一線を画すものがあります。
ドライヴ感あふれるスピーディーでハードな曲とメロディアスなバラッドが交互に配置され、曲内容と切れ味のある演奏で勝負するようなタイプの作品に仕上がっています。
ヴォーカルが威風堂々とした唄いっぷりなので、ジャケットに写っている戦う勇者達のようにとても勇猛果敢なイメージを感じさせてくれます。
演奏面ではテクニカルなドラムスが必要以上に前に出ているため、聴いていて非常に心地良いサウンドです。
また、かなりブリティッシュハードに近い音なので、かのTHREE MAN ARMYの名作"TWO"とかが好きな人には強く推薦したいと思います。
ブリティッシュロックの持つあの独特の暗さまでは到達していないかも知れませんが、BLUE CHEER、SIR LORD BALTIMORE、FRIJID PINK、LITTER等と比肩しうる水準であることは間違い無く、USハードの中では10指に入る内容の傑作といっても良いと思います。
この手のアルバムはブリティッシュ物と違って、そんなに高額なプレミアムもつかないし、その割には内容は良いというお買い得なアルバムであると言えるでしょう。
ブリティッシュロックばかりではなく、たまにはこんなアルバムも如何でしょうか?