第7回
HORSE
"Same Title"
HORSE - "Same Title" RARE度: ★★★★★★★ |
Member : | Adrian Hawkins(vo), Rick Parnell(ds), Rod
Roach(g), Colin Standing(b) |
Side (A) 1. The Sacrifice 2. See The People Creeping Round 3. And I Have Loved You 4. Freedom Rider 5. Lost Control |
Side (B) 1. To Greet The Sun 2. The Journey 3. Heat Of The Summer 4. Gypsy Queen 5. Step Out Of Line |
馬の嘶き、そしてRICK PARNELL(後にATOMIC ROOSTERに参加)のドラムスが静寂を破るとホースの荘厳な世界が幕を開けます。
まるで、荒れ馬の蹄の如く駆け巡る激しいドラミング、獣のような雄たけびをあげるヴォーカル、強烈なオリジナリティを感じさせる孤高のハードロック作品です。
暗黒のヘヴィ・ロックを彷彿させるカヴァーも見事で、芸術性も高く、当時流行りのヴィニール・コーティングも時代を感じさせるもの。
ATOMIC ROOSTERファミリーの中ではANDROMEDAをZEPPELINの1stに例えるならば、こちらは2ndに近い内容。
ド派手なHRではないものの、隠れた音というかギターのほんの些細なニュアンスが本当にブリティッシュしていて美しきヘヴィーロックと云った感じです。
全般的に高水準の曲がズラリと並んでいますが、特にA−1ではジャケットの暴虐的な馬が駆けていくような様子が見事に描かれており、曲の進行とともにだんだん馬に近づいていくヴォーカルパフォーマンスは圧巻の一言に尽きます。
こう書くとヘヴィメタっぽいように思われる方もいるかも知れませんが、決してそんなことはなく、どんな感じというのが形容しがたい程個性的なサウンドです。
B−1もまた名曲で、暗く、重く、そして美しいこの作品を試聴して私はこのレコードを買うことを決めました。
RICK PARNELLのドラムスが、かなり特徴的なタムの使い方(馬っぽいです)をしていて大変興味深いのですが、それにもまして素晴らしいのが個性豊かなヴォーカルです。
このヴォーカルがこのアルバムを名盤と呼ばれる水準まで押し上げているといっても過言ではないでしょう。
万人に進められるアルバムではないかも知れませんが、ブリティッシュハードロックが大好きな方々にとっては正に宝物のような内容の作品です。