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第342回 WIND - Seasons
   1971 GERMAN-PLUS 3 (Heavy Progressive Rock)
RARE度: ★★★★★
Member :
Steve Leistner(vo,flute), Thomas Leidenberger(g,vo), Andreas Bueler(b,vo), Lucian Bueler(key,vo), Lucky Schmidt(ds,key), Jochen Peterson(flute)
Side (A)
1. What Do We Do Now
2. Now It's Over
3. Romance
4. Spring Wind


 Side (B)
1. Dear Little Friend
2. Red Morningdird



まずはA1の凄まじいイントロで何人即死したことでしょうか?

ドイツのヘヴィー・プログレ、ウィンドです。

ドラムスも完全にたたきつけ系。そして続くは海の男の如く圧倒的な コーラス。コーラスといってもフォーク系や西海岸系のそれとは違い、 まさしく、今まさに漁に出んとせん男たちのような力強さで、ドラムスと ヘヴィー・ギターが暴れまくる海原をものともせずに駆け抜けていきます。

そしてこのまま押しっぱなしにならないのが、ユーロ・プログレの 恐るべしです。嵐の去った後のなぜか秋枯れのようなもの静かさ、 フルート、そして爪弾きギターです。あぁ、なんという哀愁でしょう!

このあたりはかのカンポ・デ・マルテ(Campo De Marte)の唯一の傑作で 聴かれるヘヴィーな中の哀愁に相通ずるものがあります。大陸的です。 広々とした大きな哀愁です。これがあるからユーロ・プログレは やめられないのです!

・・と思ったら一気にまたもとのヘヴィーな展開、そしてまた哀愁。 洗濯、脱水、すすぎ、脱水、すすぎと繰り返す万華鏡のような稀有な ナンバーに、かなり衝撃を受け、クラクラしたまま、続く静かな曲と ヘヴィーな曲のうねりに身をまかせているうちに、気が付けば A面が終わっているという状況になるのです。

静かに終わったA面の余韻でレコードを裏返すのですが、B面も いきなりガガガガ!と分厚い音が襲い掛かってきます。リズム・セクションはレッド・ゾーンで、そこにギターとオルガンが ユニゾンでかぶさるというとんでもない展開。もう殆ど戦闘状態です。

ヴォーカルは相変わらず海の男ですが、演奏のすごさたるや、往年の ブリティッシュ・ヘヴィのツワモノ達も土下座寸前の迫力。 ギターがネバネバに濁っている上に、リズムはキレキレ。 後半のドラムスがソロっぽく展開するところにギターとオルガンが 順次乱入するシーンは鳥肌必至。

B面2曲目・・これがB面ラストなのですが、小鳥の囀りと共に 静かに静かに始まるのですが、油断をしていると、ここでもまた 中盤でとんでもない事態を招きます。急に激しく盛り上がります。 とにかくカッコイイのです。

裏ジャケの写真に写るのがメンバーだと思われますが、 一見MC5、でも全く別の世界です。

ど〜も緊張感が足りん!という時に、ガツンと気合の一枚です。

(2013.05.31)