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第338回 PINK FAIRIES - "Never Never Land”
   1971 UK-POLYDOR 2383-045 (Heavy Psychedelic Rock)
RARE度: ★★★★
Member :
Paul Rudolph(g,vo), Duncan Sanderson(b), Russell Hunter(ds), Twink(ds,vo)
Side (A)
1. Do It
2. Heavenly Man
3. Say You Love Me
4. War Girl
5. Never Never Land
 Side (B)
1. Track One Side Two
2. Thor
3. Teenage Rebel
4. Uncle Harry's Last Freak-Out
5. The Dream is Just Beginning

70年代ブリティッシュ・ロックのアンダーグラウンド・シーンの 中心的黒幕といえば、このバンドを置いてはないでしょう!前身のデヴィアンツの流れに、更に当時のシーンの黒幕中の黒幕である トゥインクが中心的に参加していることもあって後世に語り継がれる 作品となりました。

ピンク・フェアリーズといえば、豪快なUKハードの名作3rdや、屈折的な プログレ傑作の2ndが有名で人気がありますが、ファンタジックな ジャケットを眺めながらだらだら聴くには実はこのデビュー・アルバムが 一番です!

なにはともあれ、まずはトゥインクならではの爆発的ヘヴィー・サイケの 傑作A-1の”Do It”です。それなりの意味をもつタイトルのようですが、 ジャケットのイメージからは、まず想像が及ばないサウンドに、まず アッケにとられ、次にゴキゲンなテンションにもっていかれてしまいます。A-2以降はいくぶんゆるい感じのヘヴィー・サイケが続きますが、これが パンクっぽいサイケ感覚に包まれ、『パンクの源流』と言われたゆえんを ここに見ることができるのですが、私のお気に入りはA-4。

ロキシー・ミュージックを10年先取りしたようなこのアダルトで深く 耽美なムードはなんなんでしょう!?!?キャタピラの2ndで広がる 大宇宙のような暗く広がる音世界。 休みをとって山奥の観光地にクルマで行ったはいいものの、連休中で 高速がめちゃ混んでいて、○○山の家のあたりに近づいた頃には すっかり周りも暗くなってしまい、お腹はすくは不気味だわ、トイレは 行きたいわ、なんてときにカーステで聴くと最高です。

そして、A面ラストのタイトル・ナンバーはここにきて、唯一さすがに ジャケのイラストを連想させる雰囲気で、あの「Do It」で始まった アルバムの最終曲とは思えない名曲でもあります。

個人的には、キレキレで押せ押せの、重量感あふれる展開をする2nd3rdのような方が好みではあるのですが、ヴォーカルが濁りまくっていて、 全体にサウンド自体がとても煮え切らない感が漂うこの1st、なんだか 最近、妙にシックリきていたりします。

どうもよくわからなくて、納得いかないような事件も多いし、暗いんだか 明るいんだか、ハイなのかローなのか、掴みどころのない混沌とした ムード漂う今こそ、このサウンドがマッチしているのかも!?

余談ですが、UKオリジナルのジャケットはPVCカバーに包まれた超変形 ジャケットで、それはそれは当時の中でも1、2を争う出来映えでは ないかとも思います。

少し間隔をあけてしまいましたが、『ロックの王道を行け!』は2013年も変わらぬペースで続けてまいりますので、引き続きお付き合い頂けましたら 幸いです。Do It!!

(2013年01月30日)