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第334回 PINK FLOYD "Wish You Were Here"

PINK FLOYD - "Wish You Were Here"
1975 UK-HARVEST SHVL814
(Progressive Rock)

RARE:

Member :

Roger Waters(b,vo), David Gilmour(g,vo,)
Rick Wright(key,vo), Nick Mason(ds)


Side (A)
1. Shine On Your Crazy Diamond
2. Welcome To The Machine


Side (B)
1. Have A Cigar
2. Wish You Were Here
3. Shine On Your Crazy Diamond


ロンドン・オリンピックから早や2週間。

肝心のスポーツはさておき、開会式や閉会 式でのUKロックのサプライズ演奏にも感銘を受けているタイプです。 全部をキチンと見たわけではないので、ワタシなどがその内容についてアレコレ言うには 時期尚早ですが、中でもとりあえず驚いたのが、この曲をやるのか!!!という ピンク・フロイドでした。

出勤前のバタバタしている時間帯でしたので『見ている』という状況では なかったものの、音楽が流れてきて思わずテレビの前で立ち止まって しまったものです。 しかし、返す返す残念でした…。NHKのアナウンサーのオシャベリは。 少し静かに鑑賞して頂くか、ピンクフロイドについて語って頂くかしてほしかったです。 後に聞いたところではネット上には『アナウンサー黙れ』の書き込みも沢山あったとか。

ピンク・フロイドのような騒音に弱い(?)音楽なのに、邦題をもじって正に 『あなたが黙っていてほしい』(!?)でしょうか。

その邦題『あなたがここにいてほしい』はピンクフロイド本人たちからの指示で 決まったと聞きますが、前後のアルバムタイトル(邦題)からの流れもあってか こちらとセットにして掲げられた『炎』というタイトルの方がピンクフロイドっぽくて 印象的です。その『炎』のパフォーマンスがまたヨカッタのに、 NHKのアナウンサーが、、、くどいですね。

さて、前置きがかなり長くなりました。

このアルバム、ピンク・フロイドにとって『狂気』というモンスター・ヒット・アルバムの 次ということもあって、メンバーも相当に時間をかけて作成したそうです。 『狂気』の良さが、オーディオを含めた音の深さとか録音の素晴らしさとかそういう ことを楽しむところにも重点を置いているように思えますが、それに比べると、まず最初に持ってこられてたシド・バレットをテーマにしたA-1などは、私のような短絡 的な者にとっては実に聴きやすくて、メロディアスでわかりやすく、そして様々な情 景をイマジネーションさせてくれます。

多分、聴いている人それぞれが大切な何かを思い浮かべながら聴き続けられた、そんな音楽だと思います。 何か印象的な出来事とともに記憶の奥底に大切に保存される、そんな曲かなと。 長い長い曲ですが、まったく長さを感じさせない。身体全体に自然にしみこむ、オー ガニックな深み。

私はこれまで人に聞かれたときは、なんとなく、「まあ、ぼくはウォールが一番好き ですね。」と笑いをとって終わらせていたのですが、本当はこれが好きです! 『炎』が一番好き、と言うとフロイド・ファンからは軽蔑の眼差しで見られて しまう傾向がなきにしもあらずですが。

そして、やっぱりB-2。いいです!!何度聴いても。 曲の入り方も最高です。

トータル・コンセプトなアルバムの中でのさりげない挿入と いうか、この曲への流れもいいのです。キンクスのローラ(Lola)と同じような感動があります。 この曲だけ聴くのとアルバム全体の中で聴くのとではまったく違った印象です。ぜひアルバムで通して聴きたい1曲でもあります。

ピンクフロイドのパフォーマンスに気を取られ、危うく遅れそうになったので 慌てて出かけてしまい、最後のWhoも見ていないだけに、 その部分だけでもライブで見たのはラッキーだったにせよ、 それだけに、アナウンサーのオシャベリが…。(だからクドイ!?)

(2012.8.30)