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第328回JEFF BECK "Blow by Blow"

Jeff Beck - "Blow by Blow"
1975 UK-EPIC EPC69117
(Jazz Rock)

RARE:

Member :

Jeff Beck(g,b), Max Middleton (key),
Phil Chen (b), Richard Bailey (ds),


Side (A)
1. You Know What I Mean
2. She's a Woman
3. Constipated Duck
4. Air Blower
5. Scatterbrain


Side (B)
1. Cause We've Ended as Lovers
2. Thelonius
3. Freeway Jam
4. Diamond Dust


『ギター殺人者の凱旋』・・これだけ聞くとなんだか、まずい機会翻訳の 結果のようですが、70年代のギター関係の人で知らない人はいないと 言っても過言ではありません。

『ギター殺人』ってなんだ、そりゃ!?と邦題から突っ込みどころが 満載ですが、当時はこの名前でファンは会話をしていたんでしょうか。 「ギター殺人者買った?」とか…。

そう、これはジェフ・ベックのソロ第一弾で、原題は「Blow By Blow」。 原題が実に味気ないのです。70年代の邦題というのは本当によく 考えられていると思います。

今でこそ『ジェフ・ベックのソロ』といえば『ワイアード』がお決まり ですが、当時はこの『ギター殺人』が彼のソロ第一弾ということで、 かなり話題になったようです。

かの有名な『ジミー・ペイジ語録』(シンコー・ミュージック)にも 出てきますが、このアルバムを聴いて、ジミー・ペイジは『天才の仕事』 と言ったとか。(機械翻訳による語訳ではないかとも思いますが!?)

ただ、このアルバムは『フュージョン性』が強い為、より『ロック』な モノにムンムンしていた若い頃には、ちょっと冷めた感もあり、好んで 聴いてはいなかったものの、今となって『天才の仕事』だとジミー・ ペイジに同感です。(誤訳でなければ!)

内容については、私なんぞが語る事もないのですが、一曲だけ上げるなら ハイライトのB-1ですね。やったら長い原題が邦題翻訳者のやる気を そそるのではないかと思いますが、これがなんと、いかがでしょう 『哀しみの恋人達』です!まるで安いチョコレート菓子のようですが、 本人はこの邦訳を知っているのかどうか、気になるところです。

それでも内容は凄いです!

ジェフ・ベック・グループ時代のインストのような素晴らしい歌メロ (歌はないですが・・・)と泣き泣きのギターが絶品。個人的には もっともっとノリノリ・イケイケのインスト(蒼き風とか)が好きですが、 一般的にはこれは世界的に彼の存在を知らしめたという意味で意義は 深いと思います。

私には春先のイメージのあるこのアルバム、早く暖かくなんないかな、と いう気分とともに、『これぞまさしく王道!』の一枚を、そろそろ 重いコートを脱ぎたくなるこの季節に是非。

(2012.3.1)