BACK TO HOME

第316回 ELLY EN RIKKERT "Parsifal"

ELLY EN RIKKERT - "Parsifal"
1971 HOLLAND IMPERIAL 5C056-24 502 (Folk Rock)

RARE:★★

Member :

Elly Nieman(vo,g,harp), Rikkert Zuiderveld(vo,g.flute)


Side (A)
1. Parsifal
2. Godin Van De Liefde 1
3. De Maya-koning
4. De Zilveren Trein
5. Dans Van De Tafelronde


Side (B)
1. Godin Van De Liefde 2
2. De Blaaskaak
3. Icarus
4. Boodschap Aan De Zeemeermin
5. De Maan Is Heet
6. Aan Jou


オランダの男女フォーク・デュオです。

オランダのフィメール・フォークといえばマックリール(MACREEL)と 相場が決まっていましたが、この作品はその固い決意を根底から 揺るがす(大げさな・・)ほどの出来です。

パルジファルというありがちなタイトルと微妙なジャケットからは、 全く音を想像できないのですが、A-1のいきなりのベタなタイトル・ ナンバーを聴くとあっというまにお茶の間が別世界にトリップします。 なんて夢見心地なんでしょう・・!

女性ヴォーカルは徹頭徹尾、ささやき風な唄法で、こうい歌い方は 下手をすると「風邪?」(あほか)と突っ込みを入れたくなりがちですが、 そんな失礼なことを考える余地すらもまったくない、風の谷のような 神々しさです。何と言っても、全く意味のわからないオランダ語の 感じがまたいいんです。

男性ヴォーカルは口に何かモノが挟まったような歌い方で、口内炎でも 患っているのでしょうか(おい!)。二人ともまともな歌い方では ない所が、逆にこの作品を特別な景色に保っている所以かもしれません。

全編にずっとアコギが鳴ってはいますが、決してジャカジャカジャ〜ンと はならず、すべてが控えめ。それでいて、このワーッと迫ってくる感じは 何でしょう?女性ヴォーカルがバックをとるときのコーラスという風でも なく、ゆるい楽器のようで、例えるなら『高原の濃霧』のよう!

そしていうまでもないのが、フルートです!もう悪いわけがないのです。

グングン曲も良くなってきて、A-4でのサビはダッチ・フォークを代表する 最高の瞬間といっていいでしょう!B面も同様の水準で進行していきますが、 私はなんとなくですがA面。究極の昼寝アイテムです。

ブリジット・セント・ジョンを凌ぐかという内容です。 フィメール・フォーク卿(狂?)でまだお試しでない貴兄、騙されたと思って、是非一度聴いてみては如何でしょうか?


(2011.02.28)