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第304回 JIMI HENDRIX EXPERIENCE "Electric Ladyland"

JIMI HENDRIX EXPERIENCE - "Electric Ladyland"
1968 UK-TRACK (Hard Rock)

RARE:

Member :

Jimi Hendrix(g,vo), Noel Redding(b), Mitch Mitchell(ds)


Side (A)
1. And The Gods Made Love
2. Electric Ladyland
3. Crosstown Traffic
4. Voodoo Chile

Side (B)
1. Littlle Miss Strange
2. Long Hot Summer Night
3. Come On
4. Gipsy Eyes
5. Burning Of The Midnight Lamp


Side (C)
1. Rainy Day, Dream Away
2. 1983 (A Merman I Should Turn To Be)
3. Moon, Turn The Tides... Gentle Gently Away

Side (D)
1. Still Raining Still Dreaming
2. House Buring Down
3. All Along The Watchtower
4. Voodoo Chile (slight return)



ジミ・ヘンドリックスの最高傑作との誉れ高い2枚組大作です。

ジミヘンといえば、なんと言っても衝撃のデビュー作で、曲もギター・ プレイも純粋に『凄さ』が伝わり易く、これは数多くのハード・ロック・ ファンがもう既に愛聴盤の一枚に数えていることと思います。

その一枚を差し置いて取り上げた、この作品は、ベストを除くと3枚目に あたるもので、混沌と熱量が半端ではなく、初のセルフ・プロデュースと いうこともあってか、そのまま本人のやりたいことを存分に発揮した、 そんな印象です。

スペーシーな滑り出しから、もわぁーっと始まり、A-3のフェード・インでまずは1回目の興奮を味わえます。A-3もベストや単品で聴くのと違って、この流れの中で聴くと、やけにかっこよく感じます。キンクス(KINKS)のローラ(Lola)みたいな感じです。

その後は延々と続く、ブードゥー・チャイル(Voodoo Chile)でドロドロの混沌の世界に引きずりこまれ、ついついトイレ休憩(おい)をとってしまったりしますが、旧ディスク1のB面になると、一転して躍動的な展開が待ち受けています。

そのB面のラストを飾るのが、ジミヘンの中でも5本の指に入る名曲、邦題も『真夜中のランプ』です。叙情性と情熱が見事に昇華された素晴らしい作品で、それでいながら甘ったるくならず、この曲などを聴いてしまうと、この人は単なる『ギタリスト』というだけでは なかったのだ、と、改めて凄さを思い知ります。死ぬまで忘れられないイントロも印象的です。

旧ディスク2のC面は、とにかくスペーシーでプログレッシヴ。ヘタなプログレよりも全然プログレッシヴです(?)。中でも、当時と今ではその曲名から受ける印象も全く違ったであろうC-2の『1983』です。 今この数字を見ると懐古の情すら感じますが、本作品発表の1968年に、この西暦数字を見ながらこれを聴いていた人たちは、きっとまだ見ぬ未来への夢をこの感じ取っていたのではないかと想像も膨らみます。

そして、最終のD面を、あえて一言で表現するなら『凝縮』でしょう。名曲中の名曲だと思うD-3のオリジナルはボブ・ディランではあるのですが、オリジナルを超えて名曲に仕上がっていると言えるのではないでしょうか。『ベタ』と言われようが、『この曲が一番好きだ!』と 自信を持って言える曲です。ラストにもう一回来る『ブードゥー・チャイル』こそは、みっちりとした濃縮版で、ギター・プレイも凄まじく、最後を飾るにふさわしい作品です。

最後にやはり触れておきたいのはジャケット。一度見たら忘れられないこのインパクトは他の追随を許さないものです。ただ、我々『ロック・ ファン』にとっては、ありがたく拝見するこのジャケも、会社のパソコンでネットサーフィン中に登場したそのタイミングで同僚の女子が後ろを通ると、かなり変な空気になってしまう事は否めません。 (実体験より?)

(2010.01.30)