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第286回 FAITH "Same Title"

FAITH - "Same Title"
1973 US-BROWN BAG BB-LA085F
(Hard Rock)

RARE:★★★

Member :

Unknown


Side (A)
1. Sometimes, Sometimes
2. Freedom
3. Answer To The Master
4. Lookin' For A Friend


Side (B)
1. Such A Lady, Such A Lover
2. Dreamy Eyed Lady
3. We're All Headed In The Same Way
4. The Last Song



メンバー名がクレジットされていない覆面バンド、唯一の作品です。

『覆面バンド』なんて、まさに当時ならではの企画で、闇鍋みたいな 響きもあって面白いなぁと思います。ジャケットもそういうことで メンバーは背中を見せているだけで顔を公開しないという徹底ぶりです。

情報が氾濫しているネット時代の昨今では、仮にそういう企画があったと しても、誰かが掲示板に書き込みなんかしたりして、すぐ実態が知れ渡ってしまって夢もロマンも台無しです。

当時はこのバンドの正体は、キース・レルフ(Keith Relf)ノエル・ レディング(Noel Redding)ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane)リック・グレッチ(Rick Grech)ミッチ・ミッチェル (Mitch Mitchell)、と言われており、確かに音的にもそんな感じだし、国内盤では堂々とそのクレジットで発売されたりもしていました。 また、プロデューサーはグランド・ファンク・レイルロード (GRAND FUNK RAILROAD)で有名なテリー・ナイトです。

そうするとジャケの真ん中に映っているのがノエル・レディング・・!?

で、実際どうなのというと、テリー・ナイトが手掛けていた別グループ という説もあるようで、こちらの方が情報としては有力のようです。

そんなウンチクはさておき、音の方はというと、いかにも英米混合 という感じの音で、よく鳴るギターの音色とハモンドが全体を引っ張って おり、ヴォーカルもアルマゲドン期(←こう書くとそういう時代があった みたい・・)のキース・レルフのようないい感じで錆びていて円熟の ヘヴィ・ロックといった様相です。しかもA-1では年代モノっぽい サックスもフィーチャーされていて、音が妙に分厚いのです。

また、A-2のオルガンの音色は後期アトミック・ルースターのくすんだ 音色に似ていて、私なんかは妙にしびれます。肉食系の若い人はだめかも しれませんが、年とってくるとこういう落ち着いたロックってなんか 機微も感じられて良く感じるようになってきます。

A面はどちらかというとヘヴィなナンバーが多く、A-4がひとつの ハイライトで、炸裂するハモンド、オカズ爆発のリズム隊、むせび泣く ギターが一丸となってのぼりつめます。展開も渋く、くどいですが ギターのむせび泣きが素晴らしいです!

思わずサビでいっしょに熱唱している自分を発見できる事でしょう。

『ファンキー』と書くとやや軽い印象が伴いがちですが、適度なファンキーさ が意外と良い感じで味付けの一枚です。

余談ですがオリジナルは意外とレアです。

(2008.07.30)