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第272回 LOS DEU LARVATH "Coneguda Causa Sia"

LOS DEU LARVATH - "Coneguda Causa Sia"
1979 FRANCE-PRIVATE
(Folk)

RARE:★★★★★

Member :

A.Brana(flute,vo), D.Frossard(g,vo,tambourine),
J.A.
Goyheneix(key,ds),D.Grosclaude(guitar,vo),
D.Lekuoka(vo,harmonica,flute)


Side (A)
1. Coneguda Causa Sia
2. L'estranger
3. T'arreviris Pas
4. Dias


Side (B)
1. La Naveth Monde
2. Las Annadas Blancas
3. Lo Poeta Triste
4. Primas



フランスのドリーミー・アシッド・フォークの最高峰です。 本作は2ndアルバムにあたるものですが、彼らの最高傑作と言っていいと 思います。

自主制作盤ですが、自主制作でしかありえない独自性を持っており、 爪弾き系の幻想的なギターが極端に美しく、英国フォークとは明らかに 一線を画す、襟を正さなければならないような気品溢れるムードが アルバム全体を支配しています。

フォーク・ミュージックにおけるギターの音色というのは様々な演奏 スタイルがありますが、個人的にはジャカジャカ鳴らすカレッジ系よりも、 こういう爪弾き系の方が好きです。

霧の立ち込める湖畔に佇んでいるかのようなそんな感覚が素晴らしいと 思います。そこにフルートがからまってくる日にゃもう・・、これは たまらん世界なのです!

ヴォーカルは超ムッシュー風』の美声男性シンガーがメインをとって いますが、サビの部分で重なるように入ってくる女性ヴォーカルの歌声が拍車をかけて幻想的です。この女性ヴォーカルは殆どコーラスに徹しては いるものの、ソロの場面では素晴らしい歌声を披露してくれていて、 トゥリーズ(TREES)セリア・ハンフリーズ(Celia Humphris)級の ドリーミーさです。

もっと前に出てきて聴かせて欲しいと思う寸前で引くあたりの一流の 引き際は山口百恵級で、その奥ゆかしさに、ただならぬものを感じます。

しかも、フランス語ってなんだかお上品で、この語感だけでやられて しまった貴兄も多いのではないでしょうか。

なんとなく私の印象ですが、こういう作品というのは聴いている人間の 体温を下げる効果があるような感じがして、真夏の昼下がりに聴くと 幽体離脱に近い不思議な感覚にひたることができます。 それは、単に『眠くなるだけ』、と言うのかもしれませんが・・。

ついでのようですが、名盤というのはジャケットも素晴らしいですね。 内容もジャケットのイメージ通りです。


(2007.12.10)