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第245回 MACREEL "Step It Out"

MACREEL - "Step It Out"
1984 HOLLAND JMR01
(Folk)

RARE:★★★★★★★★

Member :

Gemma Van Houten(vo,flute),
Marc Van Dommelen(violin,flute,mandoline,whistle,key),
Bert Van Dommelen(g)



Side (A)
1. The Bonny Light Horseman
2. Polkas
3. Broom Of The Cowdenknowes
4. City Of Savanna/Off To California
5. Step It Out Mary
6. Carolan's Draught
7. Planxty Irwin


Side (B)
1. My Love's In Germany
2. Mrs.Mcleod's Reel/Sally Gardens/
East Neak Of Fife
3.The Arran Boat
4. Will Ye Go To Flanders
5. Morgan Magan
6. Mary Of The Sea
7. Kaantjes Tune/De Kateroans
8. Reo Is The Rose


フォークというとブリティッシュというくらい、フォーク界では独占市場 となのですが、ブリティッシュに次ぐ、フォークの名産といえば オランダを忘れてはなりません。

セーム・シュルトピーター・アーツディック・フライで有名な(?)、 このオランダにはオポOPO)とかインタールードINTERLUDE)、 イロルトIROLT)等の素晴らしいフォーク名グループがありますが、 その中でもこのマックリールMACREEL)というのは白眉で、いや 白眉どころか、もう他とは全くレベルが違うと言い切ってもいいくらい 素晴らしい内容です。

この作品は彼ら唯一の作品で、しかも自主制作と、レア盤の条件も 揃っています。

メンバー構成はいたってシンプルで、女性1人、男性2人の3人構成です が、その割には薄っぺらなカレッジ・フォークみたいに素人っぽさが 全くなく、音楽は人数ではないんだということを改めて実感できます。

そしてなんと言っても、さらにレア盤の条件を満たす、この女性 ヴォーカルです!

裏ジャケの写真を見る限りでは、アマイア・スピリアAmaia Zubiriaシーナ・イーストンSheena Easton)を足して2で割ったような、 ボーイッシュでいながらもそれと同時に漂う気品高さがなんとも言えず、 もしかしたら王家の血筋をひいているのかも知れません。(ほんとかよ)

話が裏ジャケに行ってしまいましたが、歌も最高。

気高い歌い方も去ることながら、歌声は天上系のものではなく、 メイプルシロップが流れこむようなつやのあるもので、女性のもつ弱さを 感じさせずそれでいながら暖かみのある、もういくら褒めても 褒めたりません。

そしてこのアルバムを更に引き立てているのが哀愁のフルートです。 出しゃばりすぎずさりげなく入ってくるところが本当に奥ゆかしいです。

モノクロのカバーもレア盤そのものです。ヨーロッパの片田舎の ありふれた風景ですが、アルバムの内容にぴったりの雰囲気です。

自主制作、唯一の作品、女性ヴォーカル、モノクロカバー、(そして お値段までも!)と条件が揃ったレア盤のお手本のような一枚です。


(2007.02.28)