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第215回 NEW TROLLS "Concerto Grosso No2"

NEW TROLLS - "Concerto Grosso No2"
1976 ITALY MAGMA MAL02
(Progressive Rock)

RARE:★★★

Member :

Vittorio De Scalzi(key,g), Gianni Belleno(ds),
Giorgio D'adamo(b), Nico Di Palo(g), Ricky Belloni(g)


Side (A)
1. Concerto Grosso No2
a) Vivace - Luis Enrique
b) Andante - Most Dear Lady
c) Moderato - Fare You Well Dove
2. Quiet Seas


Side (B)
1. Vent'anni
2. Bella Come Mai
3. Let It Be Me
4. Le Roi Soleil


ニュー・トロルズ』とは言っても全然『ニュー』ではないイタリアのグループです。

60年代後半から90年代にかけて実に息の長い活動をしているグループですが、この2006年4月7日(金)〜9日(日)に、来日、川崎のクラブ・チッタで、ライブを行いました。内容的には『コンチェルト・ グロッソ』の1と2をステージで完全再現という悶絶しそうなとんでもない企画です。

で、私も4月8日に川崎まではるばる行って参りましたので、今回はライヴ・レポートを兼ねた『ロックの王道』です。

ステージは途中休憩付の2部構成で、まず『ツェッペリンじゃあるまいし、そんなに長くやるのか!?』なんて思ってしまったのですが、要は後半でオーケストラを入れる為の時間が必要だっただけのことでした。

オーケストラなしの前半は所謂正統派のイタリアン・ロックで、とてもそんな年齢の人たちとは思えないパワフルな演奏に圧倒されっぱなしだったのですが、しかし!休憩をはさんだ後半のコンチェルト・グロッソ完全再現ステージが凄すぎて、ノースカロライナ州あたりで宇宙人に拉致された農民のように前半部分のステ−ジの記憶がきれいに消え去ってしまいました。

その後半は、第二幕の幕が開いた瞬間、ステージ左にはな、な、なんと、オーケストラがっ!(ってそう言ってただろ)いよいよ来るぞってわかっていてもペル1のA-1のヴァイオリンの旋律が流れた瞬間って 言ったらもう、聴いている私の脳みそにも戦慄がっ!(うまいっ!)

しかもA-3出だしのヴァイオリン・ソロを弾いているのは普通の日本人の若い女性!オーケストラを現地調達しているのですから当然なのですが、 『マーキー』なんて絶対読んだことないんだろうなあ、オタク然とした我々を見て引いているんだろうなあ、なんて思って見てしまいました。

しかしペル1の完全再現はやっぱり凄かった…。曲メロが良すぎるので、覚悟していたこととは言え、もう2曲目位で顔の前面は水分でめちゃめちゃになってしまいました。

そして最も意外だったのが、今回のタイトルとしてに上げましたNo2がライヴだとカッコいいったら!1曲目はステージでやると凄い迫力で、 しかもこの曲はアンコールでももう一回やる熱の入りようでした。ヴァイオリンが一斉に奏でるところは視覚的にも迫力あって、一人でのけぞるばかりでした。

そのアンコールでは手拍子まで要求されて、ディープ・パープルの『ライヴ・イン・ジャパン』じゃないですが、本当に日本人ってのは手拍子が好きですよね。そして様式美も好きですよね。

ロックとクラシックの融合なんていいますが、今回のステージは私にはイタリアン・ロックと日本人の融合って感じに思えました。

また、このアルバムのB面は様式美じゃないのでレコードで聴く時はいつも飛ばしていたのですが(おいっ!)、ライブで聴くととてもいい感じで、特にB-3は、イタリアン・ロック史上最強のコーラス・バラッドではないかと思います。ロニー・レインRONNIE LANE)なんかが好きな人にはイケると思います。

今レコードで聴きなおして『ちゃんと聴いていきゃ良かった。』と少々後悔先にたたずでもあります。

(2006.4.10)