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第214回 EARTH AND FIRE "Same Title"

EARTH AND FIRE - "Same Title"
1971 UK NEPENTHA 6437 004
(Progressive Rock)

RARE:★★★★★★★★★

Member :

Jerney Kaagman(vo), Hans Ziech(b), Ton Van Der Kleij(ds),
Chris Koerts(g), Gerard Koerts(key)


Side (A)
1. Wild And Exciting
2. Twilight Dreamer
3. Ruby Is The One
4. You Know The Way
5. Vivid Shady Land


Side (B)
1. 21st Century Show
2. Seasons
3. Love Quiver
4. What's Your Name


最初に申し上げておきますが、『レッツ・グルーヴ』のグループではありません。(ロックの王道を行け!第91回もご参照下さい。)

オランダ出身のグループとしては珍しくインターナショナルな活躍と息の長さを誇るグループです。

初期から中期にかけてのドラマティックな名作群を耳にして虜になった方も多いことと思います。特に『アムステルダムの少年兵(Song Of Marching Children)』と『Atlantis』は甲乙つけ難い プログレの名盤で、下手なブリティッシュ・プログレなんか聴くよりはよっぽど満足できる内容です。

さて、今日ご紹介する一枚は彼らのデビュー・アルバムにあたるのですが、変形ジャケットとそのレア度ばかりがクローズ・アップされてしまい、 コレクターズ・アイテムとしての知名度ばかりが高く、内容について正当に評価されることは、少なかったんじゃないかと思います。

はっきり言ってこの1stアルバムは後のプログレッシヴな作品群とは全く一線を画する別物と言ってもいい内容で、ロック・ファン全員に薦めたい大傑作なのです!!

女性ヴォーカルとオルガンが大々的にフィーチャーされているので、プログレっぽい雰囲気も無くはないのですが、そんなことより、圧倒的な 躍動感とパワーがまずは聴く者を圧倒します。

この手のものとして有名なフランピーFRUMPY)の2ndやフュージョン・オーケストラFUSION ORCHESTRA)をも凌ぐほどの愛と興奮に満ちていて、 ブリティッシュ・フォークのナルニアNARNIA)のA-1で感じる高揚を100倍してみました、的な音は、首都高の追い越し車線で聴くには持ってこいのアルバムです。

また失恋して落ち込んだ人全員を立ち直らせるパワーを秘めているとも言えましょう。

曲はどれも粒ぞろいで凄いのですが、特にB面の流れは絶品。

B-1の迫力も去ることながら、名曲B-2『シーズン』の出だしではエア・ギターとエアー・ドラムスでで大暴れした方もいらっしゃるかと思います。 恐らくこの辺になってくると、ハード・ロック・ファンも完全に沈黙するはずです。

この曲は日本でもヒットしたので聴いたことある方多いかもしれませんが、いや本当に名曲です。ヴォーカルのハーモニーとドラムスがユニゾンで 昇るところはカッコよすぎて、私なんかでも、生きてて良かったと思ってしまい、エンディングのアコースティックな調べと哀しげなヴォーカルの 部分は、私なんかでも死んでもいいと思ってしまうのです。

色々事情はあることと思いますが、このグループは絶対1stから聴いて欲しいと思います。

(2006.3.30)