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第202回 SEGUIN "Recolte De Reves"

SEGUIN - "Recolte De Reves"
1975 CANADA KOT'AI KOT3307
(Folk Rock)

RARE:★★★★

Member :

Richard Gregoire(key), Guy Richer(b), Serge Hahaire(g,vo),
Marie-Claire Seguin(vo,g), Richard Seguin(g,vo),
Yves Cloutier(mandoline), Bruer Marcheson(violin),
Piere Daignault(flute)


Side (A)
1. Chanson Demodee
2. Les Quotidien
3. Et C'est I'hiver...
4. Dimanche Apres-Midi
5. Les Enfants D'un Siecle Fou
6. He Noe
7. Le Roi D'a I'envers


Side (B)
1. Les Saisons
2. Il Etait Une Fois
3. a) Fugue En Do Minear
b) A Ia Pleine Lune
4. Priere A La Terre


フィメール・フォーク・ファンによく知られているアルモニウムHARMONIUM)とメンバーが重なっている事もあり、カナディアン・ フィメール・フォークの双頭とも言われている、マニアの間で永く語り 継がれてきたグループの名盤です。

カナダ一(イチ)のフィメール・シンガーで、グループのリーダー、 リシェール・セギンRichard Seguin)の妻でもあるマリ・クレールMarie-Claire)は、その風貌からは想像もつかぬ深く清らかな歌声の 持ち主で、その歌声が大々的にフィーチャーされたこの3rdアルバムは、 全体的に質の高い彼らの作品群の中でも最高傑作と言われる、単に美しい だけでなく力強ささえも兼ね備えた、絶世の出来栄えです。

フォークのフィールドで語られることが多いグループですが、この アルバムは平坦なフォークではなく、プログレっぽさもかなり感じさせる 起伏に富んでいて、プログレ・ファンにもお薦めできる内容だと思います。
ただ、英語と並んでフランス語を公用語とする国故、多くのカナダの アーティスト同様、このセギンも歌詞は全てフランス語なので、フランス 語の独特の語感が全体を支配しており、鼻にかかった『シルブプレ〜』 みたいな声が好き嫌いを分けるところかも知れません。

A面はバラエティに富んでおり、パブで最後にみんなが盛り上がるときに 歌うような曲も収録されていますが、B面に行くとさらに内容は良くなり、 もうマリ・クレールの独壇場。
聴いている者全てがトリップしてしまう かのような白昼夢的世界が次から次へと繰り広げられていきます。
ブリティッシュ・フォークでは味わえない独特の世界です。

ブリティッシュ以外のヨーロッパの国のフォーク/プログレは、 ブリティッシュでは味わえない不思議な魅力があり、それはそれでハマる と抜け出せないものがありますが、このアルバには間違いなくそんな 『何か』を感じることができる一枚でしょう。
ブリティッシュ・フォーク・ファンにこそ、聴いてもらいたい一枚です。

(2005.11.20)