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第198回 HEART "Dreamboat Annie"

HEART - "Dreamboat Annie"
1975 US ARISTA ARTY139
(Hard Rock)

RARE:

Member :

Ann Wilson(g,vo), Nancy Wilson(g,vo), Howard Leese(key),
Roger Fisher(g), Steve Fossen(b), Michael Derosier(ds)


Side (A)
1. Magic Man
2. Dreamboat Annie (Fantasy Child)
3. Crazy On You
4. Soul Of The Sea
5. Dreamboat Annie



Side (B)
1. While Lightning And Wine
2. (Love Me Like Music) I'll Be Your Song
3. Sing Chile
4. How Deep It Goes
5. Dreamboat Annie (Reprise)


80'Sヘヴィーポップの旗手、ハートの1stアルバムです。

ハートというと派手なアクションでのいわば女ピート・タウンゼントPete Townshend)と言っても過言ではない、アンナンシーという姉妹のあのグループです。他にこの姉妹以外にどうやら男どももいるようですが、チェッカーズ(古い?)の他のメンバーと同じくらい影が薄く、女性2人のデュオだといわれても違和感がないくらい、2人だけが目立っていました。

彼女たちの全盛期といえばやはり「ディーズ・ドリームス」(これはいい!)や「アローン」がバカ売れしていた80年代ということになるのでしょうか。80年代のビデオクリップは今見るとすごく時代を感じさせるものですが、これでも当時は時代の最先端。ベストヒットUSAでもよく見かけました。

と、まあこの程度のことであれば、私も軽くやりすごしていたのですが、以前NHKのBSでやっていた「伝説のポップスターほにゃらか」という特集番組でかかったハートの「マジック・マン」(Magic Man)が異常にカッコよく、内容はもう正統派ハードロックそのもの。最初は80'Sのハートとは同名別物だと思った位です。

マジック・マン」はこの1stアルバムに収録されているのですが、この曲は本当にカッコよく、アメリカならではの粘着質なギターとアリゾナのサボテン乾燥(わかっていっとるんか)を思わせる、柄が悪そうだけどメタルではない、とは言っても西海岸とは絶対に違う、ロックのノリはこうあるべしみたいな基本が凝縮されています。それ以外の曲もついつい一緒に歌ってしまうようなキャッチーでメロディアスなものが多く、何かあるとすぐ聴きたくなる一枚でもあります。

キャッチーとは言っても70年代ハード・ロック・ファンが聴ける限界スレスレのキャッチーさなので、アリス・クーパーALICE COOPER)・ファンからツェッペリンLED ZEPPELIN)・ファンまで幅広く(狭く?)お薦めできるアルバムではないでしょうか。

ディーズ・ドリームス」で泣いた方には是非聴いてもらいたい彼女たちの意外な原点がここにあるのです。

(2005.10.10)