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第197回 AC/DC "For Those About To Rock (We Salute You)"

AC/DC - "For Those About To Rock (We Salute You)"
1981 US ATLANTIC SD11111
(Hard Rock)

RARE:

Member :

Brian Johnson(vo), Angus Young(g), Malcolm Young(g),
Cliff Williams(b), Rhil Rudd(ds)


Side (A)
1. For Those About To Rock (We Salute You)
2. Put The Finger On You
3. Let's Get It Up
4. Inject The Venom
5. Snowballed



Side (B)
1. Evil Walks
2. C.O.D.
3. Breaking The Rules
4. Night Of The Long Knives
5. Spellbound


リード・ヴォーカルが他界してしまうというとんでもないアクシデントに見舞われておきながら、その直後に発表したアルバム『バック・イン・ ブラックBack In Black)』で見事に再生し、むしろそれ以降に『成功』したと言っても良いオーストラリアのヘヴィー・メタル・グループ、 などという説明は不要かもしれません。

その成功たるや半端なものではなく、全世界で800万枚のセールスを上げたと言われています。800万枚というと赤壁の戦いの曹操軍(100万人)全員が8枚づつ持っていた計算になる数で、全世界が対象とは いえ、ヘヴィー・メタルでこれだけの売上をあげたのは脅威というしかありません。

前置きが長くなりましたが、その脅威の売上のアルバムに続いて発表されたのが、この『悪魔の招待状』という邦題が付けられたアルバムで、丁度80年代ヘヴィー・メタル全盛期ということもあり、世界中の若者達に大歓迎で迎えられました。

彼らはこのアルバムの発表と同時に全米ツアーを開始したため、ベストヒットUSAでもそのライヴの映像が放映され、ヴォーカルの『ファイアー!』という叫び声と同時に大砲が火を噴くステージを観て、 下着の着替えが必要になった諸氏も多かったことと思います。

余談になりますが、確かそのライヴ映像放映のちょうど翌日が高校一年の新学期のスタートだった私は、映像の興奮冷めやらなかった為、胸を張って『○○ 中学校からきました。私はAC/DCが好きです。』という自己紹介をしてしまい、先生に『なんじゃ、そりゃ。』と言われ、体制はロックの敵である、という考えに確信を持ったのもこの頃でした。

ただ高校一年というと年頃的にもちょうどセックスとかドラッグとかロックとかに興味を持ち始める時期なので、同じクラスにはヘヴィ・メタルの好きな人間がゴロゴロしており、ギター好きの人はレインボウRAINBOW)を、吸血趣味(?)の人はオジーOzzy Osbourne)を、ヘッド・ハンティングもといヘッド・バンギング好きはこのAC/DCを、というように勢力分布図もはっきりしていたものです。

それ以外には愛知県だったこともあり、地元柄マイケル・シェンカー・グループMICHAEL SCHENKER GROUP)が好きだという人も結構いました。さらに余談ですが、マイケル・シェンカー・グループは世界で一番 名古屋で人気があると言われており必ず追加公演をしていました。(裏づけはありませんので他で引用される場合はご注意ください。)

ヘッド・バンギングとは言っても、AC/DCの場合は、観客がやるそれではなく、ギタリストのアンガス・ヤング(Angus Young)がランドセルを背負って ギターを弾きながらやるという独特のスタイルで、当時はそれに強く影響を受けて、だいたいどのクラスにも平均して2、3人はアンガス・ヤングが常駐、掃除の時間になると、あちこちで箒をギター代わりにした丸刈り姿のアンガス・ヤングが大量発生していました。 (今はカラオケ・ボックスでたまに発生していますが)

私も久しぶりにこのアルバムを聴くため箒を探しましたがそんな気の効いたものはウチにはなく、仕方なくダスキンモップを片手に頑張ってみました。このアルバムって全曲激しくて、息を抜ける休憩曲が一曲も ないんですね。若い頃は平気で聴いていたのに。今はA-1からA-3までいくとぐったりです。

全然野菜の載っていない肉だけの料理をアメリカで食べた時のような凄さがあり、こういうアルバムは年齢とともにきつくなるので、若い方には特に体力のあるうちにガンガン聴いておくことを強くお薦め したいと思います。

(2005.09.30)