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第196回 CATAPILLA "Changes"

CATAPILLA - "Changes"
1972 UK VERTIGO 6360 074
(Progressive Rock)

RARE:★★★★★★★★★

Member :

Graham Wilson(g), Ralph Rolinson(key),
Carl Wassard(b), Brian Hanson(ds), Robert Calvert(sax),
Anna Meek(vo)


Side (A)
1. Reflections
2. Charing Cross


Side (B)
1. Thank Christ For George
2. It Could Only Happen To Me


1stアルバムは、八方破れで何が何だかわからないうちに一気に盛り上がり、気が付いたら汗びっしょりかいてぐったりしてしまうヘヴィー・プログレッシヴ・ロック希有の名作でしたが、ここで紹介するのはそれに続く 2ndアルバム。

とはいっても1stで大いに盛り上がったハード・ロック貴兄たちにとってこの2ndはお薦めした方が良いのか、しない方がいないのか非常に微妙な内容の作品です。

というのは1stと2ndとでは違うグループかと思うくらい内容が異なり、ヘヴィー・プログレッシヴな1stに対してこの2ndはアダルトでコンテンポラリーな雰囲気で、飲み会の2軒目に行く店でかかっていても違和感の ない、そんな夜に似合う曲がたっぷり収録されています。まさにその名の通り「Changes」。

1stでは思春期(というか繁殖期)の猫の喧嘩のような野生味溢れる声だったアンナ・ミークAnna Meek)もようやく発情期を終えて落ち着きを取り戻した感じで、そこにホール&オーツマン・イーター級のアダルト なサックスがからみ付いてくると気分はすっかり「四十にして惑わず」。

A面2曲/B面2曲という大作構成もドラマティックでコンテンポラリーな(もういいですか)雰囲気に拍車をかけて おり、昔は夜中にたばこが切れてクルマで買いに行くときにカーステでこれをよく聴き ました。(どんな田舎だ・・)

もしみなさんもこれをカーステで聴く機会があれば、是非夜に聴かれることをお薦めします。しかも夜の道でもあんまり人通り(というかクルマ通り)の少ないところがいいと思います。朝とか昼はまず似合わない、 そんなアルバムなのです。丁度「お月見」のシーズンでもある今の時期にピッタリの、怪しげな満月がよく似合うアルバムだと思います。

変形ジャケットとヴァーティゴ・レーベルということで幻の度合いも高く、プレミアムも相当なものですが、そのプレミアムに負けない堂々たる内容ですが、ジャケットの印象は内容とは少々異なっていますので、ジャケ買いには注意することをお薦めいたします。

(2005.09.20)