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第194回 GRANNIE "Same Title"

GRANNIE - "Same Title"
1971 UK S.R.T. SRT71138
(Hard Rock)

RARE:★★★★★★★★★★★★

Member :

Unknown


Side (A)
1. Leaving
2. Romany Refrain
3. Tomorrow Today


Side (B)
1. Saga Of The Sad Jester
2. Dawn
3. Coloured Armageddon



ブリティッシュ・ハード・ロックの自主制作モノの中では、その内容/レア度という点でかのダークDARK)と双璧をなすグループです。

世界中で99枚しかプレスされていないというガンダムのプラモデル、所謂ガンプラのような供給量の極端な不足感もコレクターをきちがいにさせる原因のひとつかも知れません。

ここでレア盤のプレミアムの話をしてもしょうがないのですが、10年くらい前にこのアルバムが日本で取引された値段を聞いたときは、さすがに私も腰が抜けました。本人たちは知っているのか否や・・・。

さて、このアルバムが発表された71年という年はちょうどハードロックの黄金時代にあたるもので、音の方もこの時代に発表された作品だけが持っている独特の雰囲気に包まれています。

70年代前半に発表されたブリティッシュ・ハード・ロックの作品は星の数ほどあり、それらをまじめに全部追っかけていくと、オリジナリティのあまりないB級作品もゴロゴロしていて、『もうこんなことやめよっか な・・』なんてブルーになった経験のある方もいらっしゃると思いますが、ダークとこのグラニーは、その点においては心配無用です。

ダークの方は音質もそんなに悪くないので、文句なしでしょうが、グラニーは自主盤独特のモコモコした感じの音質の悪さがあり、最初は私も相当抵抗があったのですが慣れれば大丈夫です。それさえ気にし なければ、ブリティッシュ・ハード・ロック・ファンにはマスト・アイテムといっても良いと思います。

内容の方は、単にハードに展開するだけのグループと思ったら大間違いで、フルートもアコースティック・ギターもオルガンも入っている、実に良く練られた作品で、メジャー系のレコード会社から出されていたら、 大変なことになっていたことでしょう。

このアルバムの場合は『レア度』という点ですが、何事につけ一番になるという事はとても大切で、ある一線を超えた作品だけが持つ威厳というか気品というかそういう自信みたいなものに満ちた、本当に素晴らしい 一枚です。

かねてから常々このアルバムの音の良いのを聴いてみたいと思って生きて来ましたが、昨今の技術の進歩を鑑みても数年後には不可能じゃないんじゃないかと少しだけ期待しています。

(2005.08.20)