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第190回 LED ZEPPELIN "Led Zeppelin III"

LED ZEPPELIN - "Led Zeppelin III"
1969 UK ATLANTIC DELUXE 2401 002
(Hard Rock)

RARE:

Member :

Jimmy Page(g), Robert Plant(vo), John Bonham(ds),
John Paul Jones(b)


Side (A)
1. Immigrant Song
2. Friends
3. Celebration Day
4. Since I've Been Loving You
5. Out On The Tiles


Side (B)
1. Gallows Pole
2. Tangerine
3. That's The Way
4. Bron-Y-Aur Stamp
5. Hats Off To (Roy) Harper


今更のようですが、どのアルバムをとってもそれなりに違った魅力があるというのがこのグループの凄いところです。

若い頃は1st/2ndが最高だと思っていましたが、最近はこの3rdアルバムの魅力を再認識しています。『移民の歌』(Immigrant Song)、『貴方を 愛しつづけて』(Since I've Been Loving You)あたりにすっかり気をとられていて、思えばB面は殆ど聴いなかったんですよね。

同様に1stの『アイム・ゴナ・リーブ・ユー』(Babe I'm Gonna Leave You)にしても、昔は『なんだよフォークかよ、暗いなぁ』と、その次の 『ユー・ショック・ミー』とともに『早送り』していました。(カセットなので『早送り』です。)今聴くと早送りしていた自分をけなして あげたい・・みたいな気分です。なんとも勿体無い学生時代でした。

そしてようやくフォーク音楽を聴ける大人の身体(オヤジとも言う)になって改めてこの3rdを聴くと、昔の印象とずいぶん違って聴こえる事に 気付いた今日この頃。偉大なロックスターですが、ブリティッシュ・フォークの流れは十分汲んでいたんですね。

この3rdのB面の『タンジェリン』(Tangerine)にしても昔は『ふぅんフォークか』って感じでしか聴いてなかったんですが、最初の出だしの チューニングみたいなトロトロ部分、これはフェアポート・コンヴェンションFAIRPORT CONVENTION)の『マティ・グローヴス』(Matty Groves)のイントロをも軽くしのぐ雰囲気ですね。そしてプラントの全盛期後期のいい感じに疲れたけだるいヴォーカルが入る瞬間は、 ブリティッシュ・ロック一のセクシーさだと思います。そしてジミー・ペイジのビーム砲のようなギター。シッドっぽさ漂うサビも最高です。 死ぬまで好きです。

どうでもいいことなのですが、この3rdは他にも思い入れがありまして、友人たちとお酒を飲んだ時には必ず、〆に『貴方を愛しつづけて』の ビデオを見る決まりにしていました。『狂熱のライブ』はジミー・ペイジの演奏の中でも生涯最高(私の生涯でも最高)の部類に属するもので、 見終わった後は、曲の終わった後に映像にアップで映るメガネをかけた興奮する観衆のひとりと同じ表情をするというのも友人たちとの決まり でした。(ビデオって細かいところまでチェックしませんか?)

ただでさえも酒飲みすぎて気持ち悪いのに、あんな凄いライブを寝る前に見てしまうと、もう興奮しすぎとて全然寝付けないどころか、眼を つぶるとジャケットのごとく頭がぐるぐる回る・・・。次の日は状況は言うまでもありません。

それにしてもB面の『Bron-Y-Aur Stamp』という曲、『Bron-Y-Aur』って字面では日本人にはとっても馴染みにくいと思うのに、 『スノウドニアの小屋』とは、まさに邦題の勝利だと思います。

(2005.07.10)