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第185回 INDEXI "Same Title"

INDEXI - "Same Title"
1974 YUGOSLABIA JUGOTON LSY-61096
(Hard Rock)

RARE:★★★★★

Member :



Side (A)
1. Svijet U Kojem Zivim
2. Krivac Si Ti
3. Budi Kao More
4. Da Sam Ja Netko


Side (B)
1. Sve Ove Godine
2. Sanjam (Zgb 72)
3. Plima
4. Balada


ユーゴを代表するプログレグループのINDEXIは、70年代中盤にこのデビューアルバムを発表して以来、アルバム毎に段々とプログレッシヴな 内容に進化していく、まさにプログレッシヴなグループです。

ここで紹介する74年のこのアルバムは後の作品ほどプログレ色は強なく、ラヴ・ロック気味のハードロック作品。ラヴ・ロックの風味が イタリアン・ロックを彷彿とさせる感じで、イタリアのフォルムラ・トレFORMULA 3)の初期に雰囲気が似ている部分もあります。

コレクター諸氏の間では、プログレに展開する後期(というか中期)に注目が集まっており78年の3rdアルバム『Modra Ribeka』なんかに 人気あるようですが、個人的にはこの1stアルバムが好きです。ラヴ・ロック風な作風とはいえ、70年代独特の熱気が凄く、ほとばしる 熱情とともに汗までもが飛び散ってくる迫力のある作品です。

こういうのはいくら最近の人たちがコピーしても絶対に雰囲気が出せない最たるもので、使っている楽器はハモンドとギターとベースくらいなのに、 とんでもない音圧。

そしてなんといっても歌メロが良い!

A-3の心を打つような哀愁のヘヴィ・ラヴ・ロック(なんじゃそりゃ)は、部屋中完全にセピア色になります。ヴォーカルも伸びやかで政治弾圧を うけていた人が解放されたかのようなフリーダムな歌声です。

そして続くA-4がまた素晴らしい曲で、この手の作品の中ではユーゴを代表する曲だと思います。水戸黄門フレーズが流れるなか、ワビ・サビ さえ感じさせる古風なハモンドが鳴り響き、その中を『ネビ!ネビ!』と歌い上げるところは最高の瞬間です。

B面もA面同様にセピア色の世界が広がっており、B-3がひとつのクライマックス。古めかしい感じの曲ではあるのですが、木のぬくもりの ようなものを感じさせてくれるとてもあたたかい曲です。

夏の夕方に外をみてコーヒーを飲みながら、今日は楽しかったな・・・、なんて語り合うときに是非ともかけてもらいたい、そんな1曲です。 ラストはイル・バレット・ディ・ブロンゾのような哀愁のバラッドで幕を閉じます。

全体を通して、大曲はなく全て小粒な曲で構成されているのですが、捨て曲はあまりなく、いつ聴いても途中で針をあげることなく最後まで 聴いてしまうアルバムです。

ジャケットの70年代的デザインがまたいい感じなんですよね。

(2005.05.20)