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第183回 BIRTH CONTROL "Operation"

BIRTH CONTROL - "Operation"
1971 GERMANY OHR OMM556.015
(Heavy Progressive Rock)

RARE:★★★

Member : 

Bernd Koschmidder(b), Reinhold Sobotta(key),
Bruno Frenzel(g,vo), Bernd Noske(vo, ds)


Side (A)
1. Stop Little Lady
2. Just Before The Sun Will Rise
3. The Work Is Done



Side (B)
1. Flesh And Blood
2. Pandemonium
3. Let Us Do It Now


バース・コントロールBIRTH CONTROL)というなんとも意味深な名前のドイツのグループ。ドイツでは随分と長く活動していた息の長いこのグループは、ジャーマンロックを語る上では外せないグループでも あります。

ドイツにはELPフォロワーやジェネシスフォロワー(これが多いんだ、また)が星の数ほど出ており、はっきり言ってどれもB級なので、追いかけだすと大変なことになるのですが、彼らはB級のちょい上くらい の水準で、なかなか微妙な位置にいると思います。

デビューは70年ですが、そのデビューアルバムはアートロックそのもので、ヴァニラ・ファッジVANILLA FUDGE)フォロワーとでもいうような内容。明るく軽快な雰囲気はわれわれにはちょっとつらい作品です。

が、今日ご紹介する2ndアルバムで内容が数倍進歩します。

素晴らしいオルガン・ヘヴィ・プログレッシヴ・ロックに仕上がっており、中には投げた瞬間にボールとわかるような曲がありつつも、非常に質の高い曲も収録されており、オルガン・ロック・ファンには必聴の作品です。(『オルガン・ロック・ファン』自体が最近レアかも。)

特に白眉なのがA-2。後楽園のラ・クーアにあるジェット・コースターの疾走感(もちろん乗ったことはないのでこの部分は想像です)とメロディアスなハモンドの調べが見事で、歌メロも素晴らしく、 「オルガン・ロック侮るなかれ!」と痛感させられる1曲です。途中の間奏部分で昇り詰めるハモンドの流れに身を任せるとそこは完全に無重力状態。ある意味ヒーリング効果といってもいいかも知れません。

ハモンドだけでこんなにも色々な表情を作れるものなのか、と感心させられます。これ1曲だけでもこのアルバムを持っている価値ありです。 B面はB級の曲が2曲ほど続いたあと、突然ピアノをフィーチャーしたクラシカルな曲が始まります。「あれっ?ステレオのスイッチ、FMに切り替えてしまったかしら。」と思わずステレオを見つめなおして しまうくらい異色な曲です。しかしなかなかの名曲でもあります。

ジャケットの雰囲気がB級ハードもしくはB級メタルなので、ジャケだけで敬遠する人がたくさんいることと思いますが、ハモンド好きの方、是非一度聴いてみて下さい。ちなみに内ジャケは最高にダサいです。


(2005.04.30)