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第174回 COVEN "Blood On The Snow"

COVEN - "Blood On The Snow"
1974 US BUDDAH BDS5614
(Heavy Progressive Rock)

RARE:★★★

Member : 

Jinx Dawson(vo), Christopher Neilsen(g,vo),
John Hobbs(key), Oz Osbourne(b), Steve Ross(ds)


Side (A)
1. Don't Call Me
2. This Song's For All You Children
3. Lady-O
4. Blue, Blue Ships


Side (B)
1. I Need A Hundred Of You
2. Hide Your Daughters

3. Lost Without A Trace
4. Easy Evil
5. Blood On The Snow


おどろおどろしいイメージのタイトルのこのアルバムは、知る人ぞ知る、無名のアメリカハードロックグループ、コーヴェンの3rdです。

フィメール・ヴォーカルを擁したこのグループは一聴した限りではどうってことのないB級ハードロックの域を出ない音なのですが、聴き込むほどにじわじわとその良さが伝わってくる素晴らしいアルバムです。 個人的にはアメリカのサンドローズSANDROSE)と呼んでいて(ちょっと言いすぎか!?)、ひそかに愛聴し続けている作品でもあります。

表現手段こそハードロックではありますが、ハードロックがきらいな人でも、やたらリズムセクションの重いハードなA-1を我慢すればあとは徐々にいい感じになってくるので、聴きおえる頃にはきっと好きになって いるに違いありません。

A面なんかは典型的な右肩上がりの曲展開で、後半に行けば行くほどハンカチが手放せなくなってきて、A-3くらいで私は我慢ができなくなってきます。そしてA-4は我慢の限界。ハンカチの替え玉が必要です。

美しくもはかないピアノの調べ。そしてジャケットからは全く想像もできない天使のような瑞々しい歌声・・・。なんて美しいメロディなんでしょう。 しかしそのバックではドラムスが必要以上にドスドスとなりまくるところがそんじょそこらの普通のポップ・ミュージックとは一線を画したマニアックな香りがいいですね。流石はブッダ・レーベル! しかしこのフィメール・ヴォーカル、本当にいい声をしています。

また、ギターはそんなに特色のあるプレイではないのですが、弾いて欲しいときだけ泣き泣きで登場してくれるかゆいところに手が届く、否、かゆいところだけに手が届く感じがとても好感が持てます。

そしてB面ではB-3がハイライトで珠玉のバラッド。バッジーBUDGIE)のバラッドのようなあのなんともいえない雰囲気がヒーリング効果を生み出しています。

B面ではなぜかB-4がジョーン・ジェットJoan Jett)のような激しいナンバー、そしてB-5がディストーションギターが暴れまくるハードな展開になっていて、ちょっと、とっちらかった印象を受けますが、 それでも決して悪い曲ではありません。

ジャケの雰囲気で敬遠されていた方、A-4だけでも聴く価値ありだと思います。

噂によるとなんでもステージではミサをやっていたらしく、内ジャケットをみると「はっは〜ん・・・」と納得してしまいました。

おまけ(内ジャケはこんな感じ)


(2005.01.30)