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第162回 OPUS 5 "Contre-Courant"

OPUS 5 - "Contre-Courant"
1976 CANADA CELEBRATION CEL1929
(Progressive Rock)

RARE:★★★★★

Member : 

Olivier Duplessis(key,vo), Luc Gautheir(g,vo),
Serge Nolet(flute,vo), Christian Leon Racine(b,vo),
Jean-Pierre Racicot(ds,vo)


Side (A)
1. Le Temps Des Pissenlits
2. Il Etait Magicien


Side (B)
1. Les Saigneurs
2. Le Bal

3. Contre Courant


カナディアン・フレンチ・プログレというジャンルがあるのを皆さんはご存知ですか。

カナダという国は昔フランスの植民地だったために公用語がフランス語とカナダ語(うそつけ)の2種類なんです。そのためカナダのプログレ・グループはフランス語で歌っていることがあり、適度にアメリカナイズされたフレンチの響きが良い感じで、フランスのプログレよりも内容的には良いものもあったりします。

ここで紹介するオパス5(読み方は確かオパス・サンク)は、ポーレンPOLLEN)と並び称されるフレンチプログレの名作で、テクニカルなキーボードでがんがん攻める派手目系のサウンドのポーレンに対して、こちらはしっとりとした大人な音楽です。

食事に出かけてそこでかかってる音楽が今ひとつのお店に当たると、失敗したなぁ〜と思うことってありませんか?特に、ちょっと奮発してフランス料理に行ってビートルズなんか流されたらあなた・・・味か落ちるとまでは申しませんが雰囲気がそぐわなすぎるというか、もうちょっと考えて欲しいもんです。で、そんなときに、『せめてOPUS5でも流してみろってんだ!』と思った覚えが一度ならずあるのですが、いま改めて聴いてみると、こんなんかけられると聴く方に神経がいってしまって、食事に集中できないからだめかもしれません。

さて、その食事もそぞろにしてしまう内容ですが、異常にやわらかいピアノとフルートの調べがとんでもなく高尚で、何度聴いても疲れない割には退屈でもないという何年でも聴けるまさにマスターピース。ドラムスだってこれみよがしではないけどさりげなくテクニカルで、まさに熱くないイタリアン・プログレといった感じです。
A面冒頭からじわじわと良いのですが、控えめなコーラスとピアノがだんだん盛りあがってきてドラムスと交錯するA-1のサビの部分は絶品で、クラシカル・カナディアン・フレンチ・プログレッシヴ・ロック(長いっちゅうの)の真骨頂。

A面2曲、B面3曲という大作指向なアルバムですが、時折女性ヴォーカルも登場したりで最後まで間延びすることなく聴くことができます。

ただ曲としてはやっぱりA-1が白眉で、この曲は本当に何回聴いても良いです。メロディも素晴らしい上に転調のかっこよさと奥ゆかしさといったら、あんたもう状態です。

こんなのをちょっと鼻にかかったフランス語で歌えたらさぞかし気持ち良いいだろうなぁ〜。フランス語って難しいのかなぁ〜?


(2004.09.20)