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第135回 GANDALF "Same Title"

GANDALF - "Same Title"
1968 US CAPITOL ST 121
(Psychedelic Rock)

RARE:★★★★★★★★★★

Member : 

Davy Bauer(ds), Bob Muller(b), Peter Sando(g),
Frank Hubach(key)


Side (A)
1. Golden Earrings
2. Hang On To A Dream
3. Never Too Far
4. Scarlet Ribbons
5. You Upset The Grace Of Living


Side (B)
1. Can You Travel In The Dark Alone
2. Nature Boy
3. Tiffany Rings
4. Me About You
5. I Watch The Moon


サイケデリックミュージックというとみなさんは何を連想されますか?

IRON BUTTERFLYアイアン・バタフライ)も確かにサイケではありますが、 ここで紹介するGANDALFガンダルフ)は生粋のサイケデリック ミュージッです。

彼らはアメリカのグループですが、ヨーロッパのコレクター諸氏は プログレ好きな日本人に較べると、サイケデリックなのがお好きなようで、 オリジナルアルバムは超レアアイテムとしてヨーロッパのコレクターが 血眼になって探しているとききます。

かくいう私もヨーロッパの某ディーラー宅で『ヴェ〜リイ、ヴェ〜リイ、 エッ・ックセレントオオ』とかなり大袈裟に両手を広げて大推薦され まして、そこで初めて聴かせてもらったのですが、確かに騒ぐだけの ことはあるかなっていう内容です。

普通の人間が聴いてはいけないような、ぶっとんだジャケットがちょっと 怖いぜ、にいさんって感じですが、こういうサイケデリックミュージック って向こうの人達は、クスリ(カタカナです)をやりながら聴くもの だったのでしょうか。

というのも、家族が旅行かなんかで家を空けた時の土曜の夜の風呂上りに、 ウォッカを飲みながら聴いてみたのですが、飲みながら聴くとなんだか 吸いこまれていくような、なかなか良い感じで、ついつい夜更しをしして しまいまして、日本人に比べると断然お酒に強いと言われる欧米人には、 ウォッカごときでは物足りないだろうに・・・とするとクスリ (カタカナです)か?みたいな。酩酊の状況で聴くのが正しい音楽なのでしょうか。

ちなみに他には雨の休日とか、日曜の午睡とかも良い感じでした。

さてそんなことはどうでもいいのですが、内容的にはうるさ過ぎず 地味過ぎずという奥ゆかしいオルガンがトロ〜ンとしていて、それに 加えて、神秘的な声のヴォーカルに思いっきりエコーがかかっていて更に トロ〜ンとなります。 表ジャケットのヘンな人がヴォーカルなんでしょうか。(しかし耳が 蝶というのはすごくないっすか?)

そして全体的に曲が良いのです。 A-1の静かなムードも良いのですが、A-2の雨漏りしているような曲は 抜群の出来。でも決してライヴで演るような曲ではないんだろうなあ とは思いますが。

口内炎ができたときに刺激の少ないものしか食べられないことって、 だれにも経験があると思いますが、そんな音楽です、これは。 しかも何回でも聴けます。聴けば聴く程良くなります。

ある意味究極の癒し系かもしれません。



(2003.11.30)