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第128回 UFO "UFO1"

UFO - "UFO1"
1970 UK BEACON BEAS 12
(Hard Rock)

RARE:★★★

Member : 

Mick Bolton(g), Pete Way(b), Andy Parker(ds),
Phil Mogg(vo)


Side (A)
1. Unidentified Flying Object
2. Boogie
3. C'mon Everybody
4. Shake It About
5. Melinda


Side (B)
1. Timothy
2. Follow You Home
3. Treacle People
4. Who Do Yoou Love
5. Evil



ドイツ人ギタリストMichael Schenker(マイケルシェンカー)を輩出した ことで有名なハードロックグループです。

Michael Schenkerという人は海外では今一つ人気がないようですが、 知人曰く、『世界中で名古屋で一番人気があるんだわ。特にMSG(マイケル シェンカーグループ)は別格。名古屋に来た時は必ず追加公演しとる。 (←お、名古屋っぽい!)』とのこと。

エビフライ、ハイライト、兵藤ユキマイケルシェンカー

どうでもいい話はさておき、ここで紹介するアルバムはUFOのデビュー アルバムで、まだMichael Schenkerは加入していません。(ガクッ) ギタリストはMick Boltonというよくわからない人(失礼)ですが、 驚くことにこのグループ、彼以外は全員当時20才未満!!20才未満で これだけの内容のものを残せるんですから、どこぞの国の音楽事情から くらべると雲泥の差がありますよね。そんな若さのせいか、サウンドは 全体的には勢いにまかせた感じのものに仕上がっています。

A-3に収録されているC'mon Everybody(カモン・エヴリバディ)が日本と ドイツでヒットしたため、ドイツのグループのような印象が強いですが 実際にはイギリスのグループです。このC'mon Everybodyもそうですが、 エディ・コクランの曲って、HUMBLE PIEのカバーでも知られているように、 なぜか多くのハードロックバンドがパクる、もといカバーしていますね。

原曲とは全然違うアレンジで迫力満点のハードロックになった、その A-3は、迫力満点とはいっても、切れ味の鋭い感じのハードロックではなく、 カリフォルニアのBLUE CHEERがデビューアルバムで演っていた Summertime Blues(こちらもエディ・コクランの曲ですね)のような 和太鼓系のノリのサウンドです。

柔らか歪み系ハードロックの真骨頂と いったところでしょうか。 Michael Schenker加入以降のメロディアスでキレのあるメタリックな サウンドはここでは全く不在で、Schenker加入以降とは同名異グループと 割りきった方が良いかもしれません。

特に後期の傑作アルバム『現象』(Phenomenon)あたりを聴いて、 そこから掘下げてこのアルバムまでたどりついた方は、折角たどりついた のに『なんかえらいモコモコしてるな。トレブル(こんな言い方はしない って、ふつう)を上げなきゃ聴けんな、こりゃ。』と感じるんじゃ ないでしょうか。

『ダッタ、ダッタ、プリイイイ』(私にはこう聴こえるんです。ドクター、 ドクター、プリーズのこと です、すみません)とか『ラ・バタン、ラ・ バタン』(フランス語じゃないっちゅうの。ロックボトムのことです。 再び、すみません)で燃えあがるタイプの人は近寄らない方が良いかも しれません。

後期のUFOを聴いて『いやいやメタリック過ぎてダメです。もっと クリームみたいな古い感じで迫力あるやつを..』という方にこそ お薦めしたい一枚です。

尚、UFOはこのメンツでもう一枚アルバムを出しており、そっちはアルバム 1枚で1時間という大変冗長的なジャーマンロック寄りのサウンドで、 1stよりも更に近寄りにくい作品になってしまいました。