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第124回 STRAY DOG "Same Title"

STRAY DOG- "Same Title"
1973 UK MANTICORE K43506
(Hard Rock)

RARE:★★

Member : 

Snuffy Walden(g,vo), Les Sampson(ds),
Alan Roberts(b,vo)


Side (A)
1. Tramp (How It Is)
2. Crazy
3. A Letter
4. Chevrolet


Side (B)
1. Speak Of The Devil
2. Slave
3. Rocky Mountain Suite (Bad Road)


ブリティッシュハードロックグループの中でもB級中のB級(C級とは 言わない?)として名高いグループです。

ブリティッシュロックと言いながらも、基本的にはアメリカ人で構成され ており、かのGreg Lakeがプロデュースを担当したことでも有名。

昔、某中古レコード店でだらだらと一日を過ごしていた時、見るからに 'ロカビリー系'の人間が2人お店に入って来まして、このアルバムを 見つけるや否や『おっ!?ストレイドッグか!こんなアルバム出して たんだー。』と言ってしまい、もう一人のやつがそれを聞いてすかさず、 『それってストレイキャッツと間違えてない??』..。 この瞬間、レジ奥で聞いていた店長始め我々全員の顔から笑顔が消え、 店全体に妙な緊張が走ったのを覚えています。店長は『すいませ〜ん。 ちょっとそういう店じゃないんでえ。』と言って、引きとってもらって いましたっけ。

それはさておき、このあたりのランク(って失礼だな・・)のグループに なると、ブリティッシュロックファンでもなかなか真剣に聴く気力と 時間がないのが現状ではないでしょうか。

水分をたっぷり含んだ良く鳴るギターと黒猫っぽいヴォーカルはなかなか 個性的ではありますが、アルバム全体としてみた場合、手放しで絶賛 できるような作品かというとやや疑問の残るところです。

ただし・・・、A-1だけは凄いんです。 出だしのQUATERMASSのようなプログレチックで荘厳な教会風のイントロが 嫌が上にも期待に胸を膨らまさせてくれます。 そしてヴォーカルが号令をかけると一斉射撃の始まり。もう収拾が つきません。関が原の戦いのような大乱戦といった展開で、ドラムスは 完全にオクトパス。ギターも水あめを引っ張ったような粘りっこさです。

そして本当に凄いのは絨毯爆撃のようなエンディングで、PATTOの1stの A-1のエンディングを遥かに超えた盛りあがりぶりです。 これは絶対に映像でみたかったですね。

ブリティッシュロックというのは、こういう曲が思わぬところにひそんで いるからB級だからといって油断できないところです。 先にも述べましたが、この曲以外は凡庸になってしまっているのがとても 残念です。この後、5人編制になって2ndも発表しています。内容は 1stよりは落ちるらしいと言われて聴いていません。ごめんなさい..。