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第123回 CZAR "Same Title"

CZAR - "Same Title"
1970 UK FONTANA 6309 009
(Heavy Progressive Rock)

RARE:★★★★★★

Member : 

Bob Hodges(mellottron,key,vo), Del Gough(ds),
Paul Kendrick(b,g,vo), Mick Ware(g,vo),
Dave and Roger(noises)


Side (A)
1. Tread Softly On My Dreams
2. Cecilia
3. Follow Me


Side (B)
1. Dawning Of A New Day
2. Beyond The Moon
3. Today
4. A Day In September


ツァール』と読みます。『チャー』(知ってますか?)ではありません。意味は不明です。

『グレイシャスを更にヘヴィにしたようなサウンド云々・・』なんて言い方でプログレ誌には紹介されることの多いグループです。これを読んで 『おっ!グレイシャス系か!』と思ってこのアルバムを聴くとそれほどグレイシャスでもなく、そしてそれほどプログレでもないので、 ハード系から来たでないとちょっと辛いものがあるかもしれません。 私はもともとハードの森(?)に住んでいたので、グレイシャスよりも こっちの方を先に耳にしていました。(だからなんなんだ)

私の住んでいた森では、このアルバムはアンドロメダと並んで レア度/ヘヴィ度という意味で頂点と言われていて、クマとアーサー・ ブラウン似のおっさんが合体したような不思議なジャケットも心を 揺さぶるものがありました。 内容の方は本当に凄く、ヘヴィロック特有のゆったりとした曲調がまるで 濁った黄河のごとくゆったりと不気味に展開していくA-1は『こんなの クスリやってなきゃ作れないよ。』というくらい暗黒的なサウンドで、 もうツェッペリンの『レヴィーブレイク』が泣いて謝るくらいの迫力です。

ヴォーカル(表ジャケの人なのでしょうか?)も口の中にヒゲが入った まま歌っているような歯切れの悪い感じで、それがまたアングラなムード を醸し出しています。 どの楽器の音ひとつとっても、絶対にこの年1970年にしか出せない音 ばかりで、改めてこの時代にこの音をリアルタイムで聴いてみたかったな と思いますね。

このグループの場合、他のB級バンドと違って曲の出来が 極端に良く、構成もしっかりしているので聴いていても全く飽きることが ありません。

それにしても、アルバム全体を支配しているこのダークで混沌な雰囲気は いったいなんなんでしょうか。外が真っ暗になるくらいの雷雨の時に このアルバムをかけると、これが実にバッチリ合うんですよ。間違っても 日曜の朝に洗濯物を干しながら聴くようなレコードではないと思います。

この後のメンバーの消息について私は全く知りませんが、恐らくこの アルバム以外では特に活動していないんじゃないでしょうか。

しかし、なんすかね。パーソネルのメンバー名の横には、普通はKeyとか Voとかがはいるんでしょうけど、デイヴロジャーの『ノイズ』って。