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第122回 THREE MAN ARMY "Three Man Army Two"

THREE MAN ARMY - "Three Man Army Two"
1974 UK WARNER K54015
(Hard Rock)

RARE:★★★★

Member : 

Adrian Curtis(g,key,vo), Paul Gurvitz(b,vo),
Tony Newman(ds)


Side (A)
1. Polecat Woman
2. Today
3. Flying
4. Space Is The Place


Side (B)
1. Irving
2. I Can't Make The Blind See
3. Burning Angel
4. In My Eyes



ブリティッシュハードロック界に、初めてリフ攻撃を持ち込んだことで 知られるガーヴィッツ兄弟のひとつの到達点とも言えるアルバムです。

この兄弟の作品は、本当にどれもインパクトの強いものが多く、 『68年にしてこのサウンドか!?』と言わしめたGUN1stや、全曲 全く捨て曲なしと言われる3rd『A Third Of A Lifetime』等は、全ての ハードロックファンにお薦めの必聴盤です。

前作2ndアルバムからMAY BLITZの名手Tony Newmanが参加したことで、 THREE MAN ARMYというグループはハードロックトリオとして最強の 布陣が整ったといって良いでしょう。 ただ前作2ndアルバムは、爆発力はあるものの、まだバンドとしての まとまりがなく、楽曲もいまいちと感じられるような部分もあったの ですが、本作ではそういう部分が完全にふっきれ、会心の作品に 仕上がっています。

A面/B面のバランスで言えば、B面後半が弱いかなという感じが しなくもないですが、そんなことはもうまったくどうでもいいといって いいくらいA面の出来は極上。

ハードロックのお手本といっても良いA-1は間違いなく足にきます。 人によっては腰が抜けることもあるかもしれません。特にスライド ギターが斜めにかっこよく挿入される部分のキレと言ったら、タバコ嫌い の貴方ですら思わず銜え煙草でギターを弾くマネをしてしまうような、 そんな感じです。(なんか判りにくい例えだなぁ)

そしてさりげなく入るドラムソロに1stのA-1でもみせていた彼らの こだわりが感じられます。また、Tony Newmanという人のドラムスは非常に 乾燥した雰囲気があってこれが聴いていてとても小気味良いのです。

A面にはハードな曲ばかりでなく美しいバラッドも収められていて、A-2 あたりは英国産エレクトリックヘヴィバラッドとしては5本の指に入る 内容でしょう。
ついでながら、裏ジャケには英語の歌詞がついているので、 一緒に唄ったりする楽しみ方も出来ます。(唄うの?)


更にA-3のツーバス連打の軽快(でもヘヴィです、くどいようですが)な ナンバーに至っては、踊りだしてしまう人もいるかもしれません。 (踊るの?)
そしてストリングスが大胆に導入されたA-4はこれまた名バラッドです。 表ジャケのスペーシーな女性を彷彿とさせてくれます。

『メロディアスだけどヘヴィ』というこの独特のスタイルは、後の アイアンメイデンらのヘヴィメタ勢に大きな影響を与えたと言われて いますが、ヘヴィメタ勢では逆立ちしてもこのアルバムを越える音は 出せません。

改めて70年代の壁の偉大さを感じさせてくれる、そんな一枚です。