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第121回 SCAPA FLOW "Uuteen Aikaan"

SCAPA FLOW - "Uuteen Aikaan"
1980 FINLAND KOMPASS KOLP22
(Progressive Rock)

RARE:★★★★★★

Member : 

Ismo Jarvinen(vo,sax), Leevi Leppanen(ds),
Timo Seppanen(g), Pla-Maria Noponen(vo,key),
Eelo-Pekka Kolehmainen(key), Asmo Ahonen(b)


Side (A)
1. Valmiina Heraamaan
2. Salaisuuksien Satiiniverhot
3. Mika Aamu


Side (B)
1. Uuteen Aikaan
2. Tuuleen Kaiverretut Portaat
3. Koi
4. Askel Ylospain



イギリスではないフィメールものというと、イタリアとドイツそして、かのバスクときて、それ以外は見かけないように思いますが、 今日ご紹介するSCAPA FLOWはフィンランドのグループです。

内容は、所謂フィメールヴォーカル入りのプログレッシヴロックということになるのですが、フィンランドということで、イギリスの グループとは一味違ってトラッド系の色はなく、かといってITOIZなんかにあるようなローカルっぽさもないので、一般(?)の プログレファンにもお薦めできる作品です。

ゆったりとしたシンフォニックな響きの中を、天上の響きのフィメールシンガー、Pla-Maria Noponenが唄うA-1は必聴の出来。 全く混じりっけのない純度100%の歌声は、例えば、食事中の箸が思わず止まってしまうような、ハッとする感じで鳥肌必至です。 この手の音楽が好きな人をノックアウトするには十分と言っていいでしょう。(箸持って聴くシチュエーションっつうのもどうかとは思いますが。)

そして続いて入るフルートとドラムスの響きは、如何にもこれぞ北欧という感じです。 この寒々、じめじめしたサウンドは、決して炎天下に聴くようなものではありません。

ただ、このアルバム、男性がヴォーカルを取る曲はちょっと凡庸な感じが否めません。A-1の女性ヴォーカルが極上なだけに気になるのですが、 もちろん、この部分にこだわりさえしなければ、シンフォニックロックとしては曲もよく、アルバム全体としては結構メリハリも効いていて ドラマティックに展開する、かなりの名盤だと思います。

アングラヘヴィサイケのようなジャケットの雰囲気は、内容とちょっと違った感じで、少し損をしているかな、とも思いますが、 裏ジャケのメンバーの顔写真を見る限りでは、この女性ヴォーカル、容姿(なんか古いな、この言い方)もなかなかでして、 才色兼備ならぬ声色兼備といったところでしょうか。

それにしてもそのまま読むと日本語っぽくなる曲名が多いですね。 A-3とかB-3とか。