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第118回 BLACK SABBATH "Master Of Reality"

BLACK SABBATH - "Master Of Reality"
1971 UK VERTIGO 6360 050
(Hard Rock)

RARE:

Member : 

Ozzy Osbourne(vo), Tony Iommi(g),
Geezer Butler(b), Bill Ward(ds)


Side (A)
1. Sweet Leaf
2. After Forever

3. Embryo
4. Children Of The Grave


Side (B)
1. Orchild
2.
Lord Of The World
3. Solitude
4. Into The Void



ヘヴィメタルの高祖として、未だに影響力を持っているカリスマ的なグループが、13日の金曜日に発表したデビューアルバムは、 ブリティッシュロック界にメタルというものを知らしめた重要な作品で、キーフの素晴らしいカバーアートが暗黒この上ない雰囲気を醸し出した 逸品です。秘伝のタレの底に溜まった沈殿物のように濃厚で、それでいて聴くものを虜にする魔力はまさに黒魔術そのもの。

同年発表された2ndアルバムには、ヒット曲『Paranoid』『Iron Man』等が収録されていて、これがまた捨てがたい作品となり、 1stを持っているのにこの2ndを持っていないという人はちょっとやばいです。ここでは余談ですが『Iron Man』はあの最強神話ロードウォリアーズの入場テーマにも使われていた曲で、イントロのリフのかっこよさはハッキリ言って『We Will Rock You』以上。それに後半の疾走するギターソロは鳥肌必至です。

さて、そして、その後に発表されたのが、今回紹介する3rdアルバムです。
1st、2ndも確かに良いのですが、個人的にはこの3rdが一番好きです。1st、2ndを持っていてこの3rdを持っていないという人が、一番やばい かも知れません。オリジナル盤は箱型の変形ジャケットで、初回盤にはポスターもついていたとか。

内容的には、ここに収録されているA面4曲の暗黒といったらもう、スターウォーズ『ダークサイド』そのもの。咳きで始まるA-1のギターの 重々しさはちょっと他に類をみないくらい重く、ミドルテンポな曲調も重さに拍車をかけており、ステレオのラウドネスボタンを思わずはずして しまう程のものです。

ハイライトはA面ラストを飾る『Children Of The Grave』。この不気味な曲名からして既に重さと暗さが保証されているようなものですが、 これは私が初めてヘッドバンキング(もう死語ですかね?)をしてしまった、個人的にも印象の強い曲でもあります。

この曲をヘッドフォンで聴きながらひとり四畳半の部屋でヘッドバンキングをしている姿って、曲よりそっちの方がよっぽど不気味だという人もいます。 でも酒飲んでこれやると結構まわるんですよね。(そりゃ酒がまわってるんじゃなくって、目がまわってるんじゃねえのかという説もありますが) エンディングのトニーアイオミのギターも粘っこくてかっこいいです。

ツェッペリンファンからボンジョビファンまで、ハード系ヘヴィメタ系音楽の好きな人は必携のアルバムと言えるでしょう。