第112回 RENAISSANCE "Illusion" |
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RENAISSANCE - "Illusion" |
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RARE度:★★★★★ |
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Member : |
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Keith Relf(vo,g), Jim McCarty(ds,vo), |
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Side (A) |
Side (B) |
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YARDBIRDS解散後、LED ZEPPELINを結成し、ブリティッシュハードの王道を歩んでいったJimmy Pageとは裏腹に、Keith RelfとJim McCartyが結成したのがこのRENAISSANCEです。
ヴォーカルにKeith Relfの妹、Jane Relfを起用し、典型的なクラシックロックサウンドを披露。YARDBIRDSの2人の名前をみて、『NEW YARDBIRDSか!?』とヘヴィな音楽性を期待していたファンは、このグループのあまりにも変貌したサウンドについていけなかったともいわれています。
ここで紹介する2ndアルバムは前作1stの音楽性を更に追求した叙情性溢れるもので、素朴なメロディと郷愁感が聴く者の涙を誘います。余計なことを全く排除したシンプルこの上ないサウンドは、他の70年代プログレとは一線を画するもので、テクニカル云々とは全く無縁なもので、その分涙腺への響き方が半端じゃないのです。
また、このアルバムはKeith Relfとレコード会社がモメたいわく付のレコードで、A面のラストは他のグループの曲が収録されています。他の曲がどれも素晴らしいだけに1曲だけ趣の違う曲が収められているのは少し残念です。
そうは言ってもA-1からA-3は全て佳曲で、JaneとKeithの夢想的な歌声/ハーモニーとクラシカルこの上ないピアノの響きが素晴らしい。そしてJim McCarty一世一代の名曲がB-1、『Face Of Yesterday』です。
まるで卒業式のようなピアノの調べから始まるところで、思わず立って礼をしてしまいそうになりますが、この曲をかけると部屋の中が本当にセピア色になってしまいそうで、もうだめです。
ブリティッシュロックの中でもトップ10に入るといっても過言ではない名曲中の名曲です。
最近流行りの『癒し系』などという言葉が、本物の前では何の意味ももたない、そんなことを痛感させれらます。
この後バンドは解散するのですが、RENAISSANCEというグループ名だけはメンバー総とっかえの末、全く別のグループに受け継がれていきます。
一方、このオリジナルRENAISSANCEのメンバーは、NOWという新グループを結成すべく活動していたところにKeith Relfが不慮の事故でこの世の人ではなくなってしまうのですが、7年後にこのアルバムのタイトルともなった『ILLUSION』というグループを結成します。因みにこのILLUSIONというグループのデビューアルバムにも『Face Of Yesterday』の再演が収録されています。