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第108回 KINKS "Arthur Or The Decline And Fall Of The British Empire"

KINKS - "Arthur Or The Decline And Fall Of The British Empire"
1969 UK PYE NPL18317
(Beat Rock)

RARE:★★★★★

Member : 

Ray Davies(vo,g), Dave Davies(g,vo), Mick Avory(ds),
John Dalton(b)

 

Side (A)
1. Victoria
2. Yes Sir, No Sir
3. Some Mother's Son
4. Drivin'
5. Brainwashed
6. Australia

 

Side (B)
1. Shangri-la
2. Mr. Churchill Says
3. She Bought A Hat Like Princess Marina
4. Young And Innocent Days
5. Nothing To Say
6. Arthur
 

 

THE WHOROLLING STONESと並んで3大ブリティッシュロックバンドと言われるKINKSの最高傑作。この王道中の王道アイテム、『ロックの王道…』と銘打っておきながら、No.108まで来て、『え?まだ取り上げてなかったの?』というご指摘もあろうかと思いますが、それはさておき…。

彼らは1stアルバムに収録されている『You Really Got Me』が代表曲として有名ですが、あの曲だけを聴いてしまうとKINKSというグループを見誤るんじゃないかと思います。
You Really Got Me』は確かに本当に素晴らしい曲だと思いますが、あの曲ってなんかSMALL FACESとかTHE WHOみたいな感じで、なんとなくKINKSじゃないなあと私には思えます。
やっぱり彼らの真骨頂は『Well Respected Man』とか『Lola』あたりの曲じゃないでしょうか。
特に『Lola』は収録アルバム『Lola...』の中で前の曲が終わってこの曲のイントロのギターが出てくるところなんかは鳥肌が立つほどに嬉しい気分になります。

今回紹介するアルバムは『アーサーもしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』というえらく長ったらしい邦題がつけられたもので、THE WHOの『Tommy』のようなロックオペラ風の作りになっています。

1曲目の『Victoria』。
いやあ、この曲本当にいいっすよね。イントロの颯爽感と60年代的な味わいギターが軽やかなステップで聴く者に迫ります。サビのところなんて飲んで聴いたら大合唱です。

それから『Yes Sir, No Sir』。
いったい何人のイギリス人が日常会話の中でこの言葉を使ったんでしょうか。
それにしてもこのA面は、本当に次から次へとよくもこんなに味のある曲が並んだもんだなと感心させられます。

そしてこの素晴らしいA面のラストを締めるのが『Australia』。
これは本当に名曲です。まずイントロで即死。そして『オーストラァァリィーイアアアアァァァ』なんて声の続く限りひとりフェーダアウトしてしまいます。
B面には『Shangri-la』なんていう曲も収録されていて、意図して付けられたのかどうか知りませんが、このアルバムの中では最後が『ラ』で終る曲名の曲はどれも佳曲です。

聴き終えた後になんとも言えない満足感の残る最高に素晴らしいアルバムです。