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第107回 FUSION ORCHESTRA "Skeleton In Armour"

FUSION ORCHETRA - "Skeleton In Armour"
1973 UK EMI EMA758
(Heavy Progressive Rock)

RARE:★★★★★

Member : 

Colin Dawson(g), Stan Land(g,key,harmonica), Dave Cowell(b)
Dave Bell(ds), Jill Saward(vo,flute)

 

Side (A)
1. Fanfare Suite For 1000 Trampits (part one)
2. Sonata In Z
3. Have I Left The Gas On?

 

Side (B)
1. Ok Boys, Now's Our Big Chance
2. Skeleton In Armour
3. When My Mamma's Not At Home
4. Don't Be Silly, Jilly
5. Talk To The Man In The Sky
6. Fanfare Suite For 1000 Trampits (part two)
 

 

紅一点Jill Saward擁するハードロックグループ。
女性ヴォーカルをフィーチャーしたハードロックグループと言えば、BABE RUTHSTONE THE CROWS等がありますが、このFUSION ORCHESTRAが最強ではないでしょうか。
世界水準でみても、FRUMPY(ちょっとこれは凄すぎ)に次ぐくらいの内容でハードロックファンは必携のアルバムといっても良いでしょう。

A面出だしの『ファンファカファ〜ン、ファンファン』っていう気の抜けたビールのようなイントロでガクっとなりますが、『フゥオ〜ウ!』というJillの掛け声とともにすぐに畳み掛けてくるドラムスとギターの旋律で全てが変わります。
A面出だし最初のイントロとB面出だしの静かな部分を除けば、もうどこに針を降ろしてもアンプのメーターはおんなじところを指す、というようなアルバムです。

 

とは言っても決して単調な内容ではなく、ドライヴ感たっぷりの展開はかなりドラマティックです。これでもかと叩きつづけるドラミング、よく歌うギター、時折入るピアノ、そして表情豊かなJill Sawardの素晴らしいヴォーカル。どこをとっても世界に誇れる正統派ブリティッシュハードロックですね。

ただ少し難を言えば、聴いていて嫌になってくるような中だるみはないのですが、ちょっと濃すぎるかなっていう感じが無きにしもあらず…。日曜日の朝、朝寝坊じゅうぶんで体調バリバリの時に聴くにはもってこいのアルバムなんでしょうが、疲れているときには、A面聴いたらB面はちょっと考えてしまいます。おいおい濃縮還元しすぎだぜ、っていうくらいとにかく濃いですね。


B面のタイトルナンバーなんかも本当にかっこいいんですが、ちょっとぐったりきてしまうこともあります。焼肉屋さんで、最初から最後までワカメスープも飲まずに極上の骨付きカルビを食べつづける、そんな作品ですね。内ジャケのライヴの写真をみる限りでは、彼らのステージはホントに凄そうです。

私も若い頃はこれを聴いてから次ぎはHIGH TIDEなんて無茶ができたんですが、年とともにハードロックのはしごは身体に応えるようになってきました..。
とは言っても勿論内容が悪い訳ではないので、聴かれる方には睡眠をたっぷりとった上で、万全の体調で望んでもらいたいな、なんて思う次第です。