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第105回 TRADER HORNE "Morning Way"

TRADER HORNE - "Morning Way"
1970 UK DAWN DNLS3004
(Folk Rock)

RARE:★★★★★

Member : 

Judy Dyble(vo,harp,key), Jackie McAuley(vo,g),
Ray Elliott(flute,clarinet),Andy White(ds), John Godfey(b)

 

Side (A)
1. Jenny May
2. Children Of Oare
3. Three Rings For Elven Kings

4. Growing Man
5. Down And Out Blues
6. The Mixed Up Kind

 

Side (B)
1. Better Than Today
2. In My Longness
3. Sheena
4. The Mutant
5. Morning Way
6. Velvet to Atone
7. Luke That Never Was
 

 

ブリティッシュフォークの名盤として太古の昔より語り継がれてきた作品。
(いきなり大袈裟!) ジャケットの持つファンタジックなムードがそのままストレートに伝わってくるような夢想的なサウンドは、一度聴いたら忘れられない程の美しさで、所謂3美神とも較べても全く遜色のないアルバムです。

ブリティッシュフィメールフォークというと、地味なバッキングに天上の歌声といった作風が多い中、このグループの哀愁たっぷりのドラマティックな演奏は他に類をみないものです。ヴォーカルスタイルは、元FAIRPORT CONVENTIONの初代ヴォーカリストJudy DybleJackie McAuleyの男女の掛け合いというオーソドックスなものですが、ここで聴くJudy DybleのヴォーカルというのはFAIRPORT時代よりも各段に美しくなっているような感じで、このウェット感といったらもう鼻血もでません。

バックの演奏は結構いろんな楽器を使っているようで、とてもバラエティに富んでおり、特にフルートがいい味を出しています。特にA-3のフルートは一聴の価値ありです。

そしてこのこのアルバムの本当の素晴らしさは捨曲なしのメロディの良さです。メロディの素晴らしいアルバムっていうのは本当にいつまで経ってもずっと愛聴し続けられるもので、このアルバムもご多分にもれず、いつまで聴いても飽きない作品となっています。10人中8人は聴き終わった後にお風呂で歌ってしまうか口笛を吹くかのどちらかだと言っても過言ではありません。それから曲と曲の間に印象的な間奏が挟まれていて、これがまたなんとも言えず良い感じです。SMALL FACESOGDENのB面でのあの感触に近いものがあります。

私、このアルバムを初めて聴いたのって、まだここ10年以内のことなんですが、こういう風に人の心に直接響き渡るような印象的なアルバムって、久し振りに聴くと、特にこういう寒いシーズンにはあっという間に気分がセピア色になってしまいそうです。静かなに雪の夜にでも聴くと、感受性が強くなくても、思わず涙をこぼしてしまうかも。


フォークファンの多くの方は既にもうお持ちだとは思いますが、是非ともハード系の方に聴いてもらいたいですね。かっこいいハードロックもいですが、こういう涙腺を刺激するアルバムが一枚くらい棚にあるのも悪くはないと思います。