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第98回 KING CRIMSON "Red"

KING CRIMSON - "Red"
1974 UK ISLAND ILPS9308
(Progressive Rock)

RARE:

Member : 

Robert Fripp(g,mellotron), John Wetton(b,vo),
William Bruford(ds), David Cross(violin), Mel Collins(sax),
Ian McDonald(sax), Robin Miller(oboe), Mark Charig(cornet)

 

Side (A)
1. Red
2. Fallen Angel
3. One More Red Nightmare

 

Side (B)
1. Providence
2. Starless
 


KING CRIMSONと言えば、鼻の穴丸だしのあの有名な顔の1stアルバム『クリムゾンキングの宮殿』があまりにも有名で、どれか一枚と言われれば勿論あのアルバムであることに異論はないのですが、あのアルバムはどんな本にでも紹介されていますので、ここでは敢えてこんなアルバムを紹介したいと思います。

プログレッシヴロックの話しをする時に絶対に外してはならないグループではあるのですが、1stのB面(途中結構つらくないですか?)のせいで、プログレに対して相当偏見を持っていらっしゃる方がいるような気がします。
私の大学時代の知人でパンクを専門に聴いていた人がいたのですが、こと話がプログレの事になると、『プログレか、あれは眠くなるからオレはイヤだ。』と、まるでプログレを聴いている人間はどうしようもない退屈野郎だと言わんばかり。そんな屈辱、パンク野郎からだけは、受けたかないよって思ったりした経験、プログレファンなら一度や二度はお持ちでしょう。


無理せずにとりあえず『ZEPPELINが好きです。』なんて言っておけば、就職の入社面接で『尊敬する人は?』って聞かれた時に、『両親です。』って答えるのと同じくらい無難なんでしょうが、プログレっていうとどうもオタクっぽい響きがあって、もうひとつ市民権を得ていないような気がします。

どうでも良い話ばかりしてしまいましたが、ここで紹介する作品はCRIMSONの解散発表の翌日に発売された第一期(とは言わないんでしたっけ?)のラストアルバムにあたります。
内容の方は、『一体彼らに何が!?』っていうくらいハード一辺倒の内容で、A-1のタイトルナンバーからいきなり怒涛の攻めです。
この『Red』っていう題は、裏ジャケを見る限りどうやら『レッドゾーン振りきり』をイメージしているようですが、私にはこの驚愕のサウンドにノックアウトされた人間の鼻血のように思えてなりません。
とにかくA面の圧倒的パワーは本当に凄く、『プログレの人達でも怒らすと大変なことになるんだ..。』っていうくらいぶっちぎれています。

B面に入ると今度はパワーを抑えた変わりに恐怖を感じさせる展開。
ラストのナンバー『Starless(暗黒)』という曲は、本当に暗黒のような曲で、暗闇の中で聴いたらさぞかし怖いだろうなあという不気味なナンバー。
『ろうそくの炎は最後に大きく火を放つ』という巨人の星の諺(知ってますか?)を彷彿とさせる壮絶なラストアルバムです。
当時のクリムゾンファンはこれを聴いてきっと号泣したんじゃないでしょうか。

何も飾らない平凡なジャケット(ゴメンナサイ!)からは全く想像できない、正に内容勝負の巨大な作品です。