BACK TO HOME

第80回 JERICHO "Same Title"

JERICHO - "Same Title"
1972 UK A&M AMLS 68079
(Hard Rock)

RARE:★★★★★★

Member : 

Rob Huxley(g), Ami Triebich(ds), Haim Romano(g),
Michael Gabriellov(b), Danny Shoshan(vo)

 

Side (A)
1. Ethiopia
2. Don't You Let Me Down
3. Featherbed

 

Side (B)
1. Justin And Nova
2. Kill Me With Your Love

 

"JUNKIES, MONKEYS & DONKEYS"というけったいなタイトルのアルバムでデビューした、なんとイスラエル人のグループ。
けったいなのはタイトル名だけで、ヘヴィープログレ系のファンをそれなりに喜ばしてくれるそのデビューアルバムもなかなかの内容でしたが、今回ご紹介する2ndアルバムは、1stを更にヘヴィーにしたような内容で、ハード系の人は絶対に見逃してはいけない作品です。

よく『ジャケで脅す』といいますが(言わん、言わん)、このアルバムデザインは如何にも『ハードロック名盤』ちっくな感じで、威厳すら漂っています。

なんといってもA-1ですね。
これは世界のハードロック史上確実に5指に入るであろう破壊力を誇っていて(なんかこの言い回し多いな)、そのドライブ感満点の展開はT2のA-1やTOADのA-1等と同等もしくはそれ以上の出来映えです。
リズムの切れ味も去る事ながら、まるでミッシェルクワンがショートトラック決勝に出場したかのようなスピーディでエレガントなギターの切れ味が最高です。

延々と続いたイントロが終ると、Ian GillanRob Halford(←JUDAS PRIESTのあの怖そうな人のことです。実は今調べました..)が泣いて謝るんじゃないかというくらい凶暴な感じのヴォーカルが襲ってきます。
さすがに戦乱の中近東でもまれているだけあって、気合の入り方がそんじょそこらのぬるま湯野郎(そういうあんたは何様なんだ)とは訳が違います。
まあ、この曲だったらカーステで思いっきり大きな音でかければ、選挙カーにも負けないと思いますよ。
そしてA面の他の曲はというと..。すみません、お通しが派手過ぎてちょっと覚えてません、って感じなんですよ。

さてB面ですが。
うん?なんだこのイントロのハミングは?と思わず手を止めてしまいそうな、A面(というかA-1)からは全く想像できない極上のバラードなんです。
しかもピアノまで散りばめられていて、更にA面とはとても同一人物とは思えない泣きのギターとストリングスは、まるでTHREE MAN ARMYの例の曲のような涙を誘うリフレイン。どんなに凶暴な人でもリングを降りるとなんて紳士なんだろう、そんな感じの曲ですね。
『ハードロックアルバムの名盤に名バラード有り』という使い古された格言を地で行くような素晴らしいナンバーです。
そしてB面の他の曲はというと、すみません。お通しが派手過ぎて..(おいっ!)。


目下中東はとても不安定な政治情勢で一発触発の状況ですが、凶暴さを音楽で表現できた彼等には銃と爆弾は不要でしょう。こんな争いならいっくら激しくても大歓迎なんですけどね..。