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第79回 NEW TROLLS "Concerto Grosso PerT"

NEW TROLLS - "Concerto Grosso PerT"
1971 ITALY CETRALPX 8
(Heavy Progressive Rock)

RARE:★★★★

Member : 

Nico Di Parco(g,vo), Vittorio De Scalzi(g,vo), Giorgio Dadamo(b),
Gianni Belleno(ds)

 

Side (A)
1. Allegro
2. Adagio (Shadows)
3. Cadenza - Andante Con Moto

4. Shadows (per Jimi Hendrix)

 

 

Side (B)
1. Nella Sala Vuota

 

このNEW TROLLSというグループはかのOSANNA一派とも深い関連があり、67年のデビュー以来息の長い活動を続けているイタリアのプログレグループです。

ここで紹介するアルバムは彼らの3rdアルバムにあたる作品で、作曲家のバカロフ氏(バカルディじゃありません)の協力のもと、オーケストラが大胆に導入された彼らの最高傑作です。
クラシカルなプログレの多いイタリアの中でも、この作品の叙情は他の追随を許さないもので、特にA-1からA-3の如何にもイタリアという大袈裟でドラマチックな展開は、これを聴いて箸を落とさぬ(?)プログレファンがいるのだろうか、というくらい素晴らしい旋律の嵐です。

A面の最初からいきなりヴァイオリンの優雅な調べに、『これはロックじゃないんじゃないか?』と疑ってしまいますが、これにブルース系のギターとJETHRO TULLばりのフルートとテクニカルなドラムスが絡んでくるという今まで経験したことのないような体験に、早くも一回目の至福の時をむかえます。
試合開始早々のクライマックス的盛り上がりに『おいおい、最初からそんなに飛ばして大丈夫なのか?』と心配になってきますが、この後がまだまだ凄いんです。

A-2のイントロ。ヴァイオリンの響きとハープ(多分)の爪弾き、そしてギターが一体となって奏でるこのメロディの哀しさといったらもう。これは世界最高水準の哀愁といっても良いでしょう。
そしてこのアルバムのテーマとなっているシェイクスピアの言葉『To Die, To Sleep, Maybe To Dream』のリフレインが更に涙を誘います。(英語わからんくせに..)
オーケストラとロックってこんなにも絶妙に融合するもんだろうか、と思わずSPOOKY TOOTHの連中に聴かせてやりたくなってきますが(?)、本当にこの曲のコンビネーションは素晴らしい。
宇宙戦艦ヤマトのテレサのテーマの優雅さとZEPPELINの天国への階段の後半のクライマックスギターソロが合体したかのような絶頂感に、もうアルファー波垂れ流しっぱなし。気が付くとベータ波まで出てるじゃないですか(おい意味わかって書いてんのか)。

でも、本当にこの曲の素晴らしさは我々(いっしょにするな)マニアの間のものだけにしておくのは惜しいくらいの内容で、広く一般の方々にも是非聴いてもらいたいですね。
例えば、シェーバーの抜き打ちCMみたいに、街で歩いている出勤途中の普通のサラリーマンに『スミマセン。ちょっと今、お時間ありますかぁ?』(普通ないっちゅうの)とか行って裏道に連れてってこの曲聴かせたら『こ.こ..これは素晴らしい..』ときっと感動してくれることと思います。(他の人の反応に影響されないよう、個人攻撃にでるのがポイントですね。)

そしてB面。B面かぁ..B面は、ま、まぁ..い、いいでしょう..今日は。
B面がどうなのか知りたいですかぁ本当に?多分それ以上聞くと、NASAに行ってロズウェル事件のことを嗅ぎ回るような、触れてはいけない部分に触れることになるので、お互いのためにその話はやめておきましょう。

ま、何はともあれA面だけ聴いて下さい。